こんにちは、黒羽です。
今日は少し普段とは違って、単純に知識として知っておいてほしい話をしたいと思います。
テーマは、
「自分は詐欺に騙されない」と思っている人ほど、実は注意した方がいいのではないか?
という話です。
僕自身、お金や資産形成についていろいろ調べていますが、詐欺や投資トラブルについて調べていくと、一つ強く感じることがあります。
それは、
詐欺に遭う人=知識がない人
とは限らないということです。
経営者だったり、社会的に成功している人だったり、投資経験がある人だったり、普段は非常に慎重な人だったり。
そういう人でも、大きなお金を失ってしまうことがあります。
では、なぜなのでしょうか。
詐欺は「見るからに怪しい人」から来るとは限らない
僕たちが詐欺と聞いて想像するのは、
「突然知らない人から電話がかかってくる」
「怪しいメールが届く」
「明らかにおかしな投資話を持ちかけられる」
といったものかもしれません。
こういうものであれば、
「そんなもの、自分なら騙されないよ」
と思いますよね。
僕もそう思います。
ところが、本当に怖いのはもっと自然な形で話が始まる場合です。
例えば、
昔から付き合いのある知人から紹介された。
信頼している経営者から紹介された。
友人が実際に投資して利益を受け取っている。
自分自身も最初に少額を入れてみたら、本当に利益が振り込まれた。
こうなると話は変わってきます。
知らない人から突然、
「100万円投資してください」
と言われれば断れる。
しかし、10年以上付き合っている友人から、
「俺もやっているけど、本当に利益が出ているよ」
と言われたらどうでしょうか。
ここで大切なのは、
その友人が嘘をついているとは限らない
ということです。
友人自身も本当に良い投資だと思って紹介しているかもしれません。
だからこそ難しいのです。
「実際に儲かっている」は、安全の証明ではない
例えば、ある投資に100万円を入れたとします。
翌月、本当に5万円振り込まれた。
その翌月も5万円。
さらにその翌月も5万円。
そうすると、
「本当に利益が出ているじゃないか」
と思いますよね。
そして、
「100万円でこれだけ入るなら、500万円入れたらもっと増える」
と考えるかもしれません。
しかし、ここで一度考えてほしいのです。
その5万円は、
本当に運用によって生まれた利益なのでしょうか?
世の中には、新しく参加した人から集めたお金を、先に参加した人への「配当」や「利益」のように見せて支払う、いわゆるポンジ・スキームと呼ばれる手口があります。
この場合、最初の参加者には実際にお金が支払われることがあります。
だから、
「本当にお金が振り込まれた=安全な投資」
とは限らないわけです。
ここは知識として覚えておくだけでも、かなり違うと思います。
僕なら「誰が紹介したか」と「何を紹介されたか」を分けます
これは僕自身、大切にしたいと思っている考え方です。
例えば、僕がものすごく信頼している友人から投資を紹介されたとします。
そのとき、
「この友人は信用できる」
という判断と、
「この投資は信用できる」
という判断は別にします。
友人は信用する。
でも投資先は調べる。
紹介してくれた人は信用する。
でも契約書は読む。
相手の人柄は信用する。
でも会社や必要な登録、資金の流れなどは確認する。
つまり、
【人への信頼と、お金への確認を分ける】
ということです。
僕はこれ、投資だけではなく、事業をやっている人にもかなり大切な考え方だと思っています。
「みんなやっている」も安心材料になりやすい
もう一つ、人間が影響を受けやすいのが、
「他の人もやっている」
という情報です。
例えば、
「経営者仲間がみんな参加しています」
「○○さんも投資しています」
「すでに1000人以上が参加しています」
「紹介者限定の投資です」
と言われる。
すると、
「これだけ多くの人がやっているなら大丈夫なのかな」
と思いやすくなります。
飲食店でも行列ができていたら、
「きっとおいしいんだろう」
と思いますよね。
口コミが1000件あって評価が高ければ、安心して買いやすくなります。
人間として自然な心理だと思います。
ただ、お金の話になると、
「たくさんの人が参加していること」と「その投資が安全であること」は別です。
ここを分けて考える必要があります。
「あなただけ」「今だけ」にも気をつける
そして、
「普通の人には紹介していません」
「○○さんだから特別に紹介します」
「今回だけです」
「今日中に決めてください」
と言われると、人は冷静に考える時間を失いやすくなります。
面白いもので、
「いつでも買えます」
と言われると急がないのに、
「残り1つです」
と言われると欲しくなったりします。
これは投資だけの話ではありません。
僕たちは日常生活でも普通にこうした心理の影響を受けています。
だから、
「自分は心理操作なんかされない」
と考えるより、
「人間だから影響を受ける」
と最初から考えておいた方がいいと思います。
一度お金を出すと、今度は「取り戻したい」が始まる
そして、個人的にかなり怖いと思うのがここです。
例えば、ある投資に500万円を入れたとします。
しばらくして出金しようとしたら、
「現在出金できません」
と言われた。
そこで、
「あと100万円入れていただければ、600万円すべて出金できます」
と言われる。
普通の状態で、
「100万円ください」
と言われたら断れるでしょう。
しかし、
「100万円払えば500万円を取り戻せる」
となると、話が変わって見えます。
100万円を新しく失う可能性より、
500万円を取り戻したい気持ちの方が強くなる。
さらに100万円出す。
今度は600万円になります。
すると、もっと撤退しにくくなります。
「ここまで払ったのだから……」
という気持ちが出てくるからです。
これは、すでに使ってしまったお金や時間に引っ張られて判断してしまう、いわゆるサンクコスト(埋没費用)の問題としても考えられます。
僕なら「今日初めて聞いた話なら、お金を出すか?」と考える
こういうとき、僕なら一度過去を切り離して考えます。
500万円払ったことはいったん忘れる。
そして、
「もし今日初めてこの話を聞いたとして、この100万円を払うだろうか?」
と考えます。
もし、
「いや、初めて聞いた話だったら絶対に払わない」
と思うのであれば、一度止まる。
すでに払った500万円を基準にするのではなく、
これから出す100万円だけを独立して判断する。
これは投資以外にも使える考え方だと思います。
詐欺を100%見抜こうとしなくてもいい
そして、ここが今日一番お伝えしたいところです。
僕は、
「詐欺を全部見抜ける人間になろう」
と考えなくてもいいと思っています。
なぜなら、詐欺の手口も変わりますし、人間の心理を利用した手法もどんどん巧妙になるからです。
それよりも、
「自分だって判断を間違える可能性がある」
と考えておく。
そして、判断を間違えたとしても、
人生が終わるほどの損失にならない仕組みを作っておく。
こちらの方が現実的ではないでしょうか。
例えば、全財産を一つの投資に入れない。
生活費を投資に回さない。
納税するためのお金は別にしておく。
よく分からないものには大きなお金を入れない。
一定額以上のお金を動かすときは、その場で決めない。
一晩でも二晩でも時間を置く。
自分だけで判断せず、利害関係のない第三者にも確認してもらう。
こういう仕組みを作っておけば、
仮に一度判断を間違えても、
致命傷になる可能性を小さくできます。
お金を増やす勉強と同じくらい「守る勉強」も必要
僕は普段、資産形成についてもお話ししています。
NISA。
インデックス投資。
高配当ETF。
資産をどう作っていくか。
こういう勉強はもちろん大切です。
でも、資産が増えてくればくるほど、もう一つ勉強しなければならないことがあります。
それが、
「どうやって失わないか」
です。
例えば、何年もかけて1000万円を作ったとします。
それを2000万円にするための投資方法を一生懸命勉強する。
もちろん大切です。
でも同時に、
その1000万円を一度の判断で失わないための知識
も必要ですよね。
僕は資産形成というのは、
単純な「増やすゲーム」ではなく、
「退場しないゲーム」
でもあると思っています。
一発で大きく儲けなくてもいい。
でも、大きな失敗で市場から退場しない。
長く続ける。
これは事業でも投資でも同じだと思います。
「自分は大丈夫」と思ったときこそ、一度確認する
詐欺や投資トラブルの記事を読むと、
「なんでこんな話を信じたんだろう?」
と思うことがあります。
でも、後から結果を知った状態で見るのと、その場で判断するのでは全く違います。
信頼している人から紹介された。
実際に利益が振り込まれた。
周りの人も参加している。
立派な資料がある。
専門家らしい説明をされる。
最初は少額だった。
そして何度か利益を受け取った。
こうした条件が少しずつ重なった結果、大きなお金を動かすようになったのであれば、
最初から何百万円、何千万円を突然渡す話とは全く違います。
だからこそ、
「自分なら絶対に騙されない」
ではなく、
「自分も条件が揃えば判断を間違える可能性はある」
くらいに考えておく方が、僕は安全だと思っています。
人は信頼しても、お金は確認する
最後に、今日の話で一つだけ覚えて帰っていただくなら、
僕はこの言葉です。
【人は信頼しても、お金は確認する】
友人を疑えという話ではありません。
家族を疑えという話でもありません。
仕事仲間を信用するなという話でもありません。
人は信頼していいと思います。
ただ、
「この人は信用できる」ということと、「このお金の話は安全だ」ということを一緒にしない。
信頼している友人から紹介されたとしても、投資先は確認する。
尊敬している人から紹介されても、契約内容は確認する。
実際に利益が振り込まれていても、その利益が何から生まれているのか考える。
「みんなやっている」と言われても、自分で調べる。
「今日まで」と言われたら、むしろ一度止まる。
そして、自分で理解できない大きなお金の話には、安易に乗らない。
これだけでも、かなり違うのではないでしょうか。
お金は一生懸命働いて作るものです。
資産形成なら、何年、何十年とかけて少しずつ作っていくものです。
だからこそ、
増やす知識だけではなく、守る知識も持っておく。
そして、
「自分は騙されない」という自信ではなく、「自分も間違えるかもしれないから確認する」という習慣を持つ。
今日は何かを購入していただくための話ではありません。
これを読んだ方が、いつか自分や家族のところに怪しいお金の話が来たとき、
「あ、そういえば黒羽がこんな話をしていたな」
と思い出して、一度立ち止まってもらえれば、それで十分です。
ぜひ、ご自身だけではなく、ご家族にもこういう話を共有してみてください。
大切なお金を守るための、一つの知識として覚えておいていただければと思います。