こんにちは、黒羽です。
今日はちょっと昔話から始めたいと思います。
今の若い先生には、
もしかするとピンとこない話かもしれません。
昔、
「整骨院を開業すればベンツに乗れる」
そんなことが言われていた時代がありました。
もちろん、
「整骨院を開業した人が全員ベンツに乗れた」
という意味ではありません。
そこはかなり誇張されています。
ただ、実際に僕がこの業界に入った頃は、
整骨院を開業して成功して、
いい車に乗っている先生。
スタッフを何人も雇って、
大きな院を経営している先生。
何店舗も展開している先生。
そういう人たちが結構目立っていました。
そして、
「柔道整復師の資格を取って、何年か修業して、自分で整骨院を開業すれば稼げる」
という成功モデルが、
今よりずっと分かりやすかったように思います。
■「整骨院を開けば儲かる」という成功イメージがあった
昔は今よりも、
「資格を取る→修業する→開業する」
という道が、
成功への王道として見られていました。
もちろん、
当時だって開業すれば誰でも成功したわけではありません。
経営がうまくいかなかった人もいたでしょうし、
患者さんが集まらなかった院もあったはずです。
ただ、
成功している人がものすごく目立ったんですね。
整骨院を開業する。
患者さんがたくさん来る。
スタッフを雇う。
さらに患者さんが増える。
分院を出す。
収入が増える。
家を買う。
高級車に乗る。
こういう分かりやすい成功者がいました。
そして、その象徴の一つが、
「ベンツ」
だったわけです。
今よりも昔の方が、
高級輸入車には強烈な「成功者感」があったと思います。
ベンツに乗っている。
BMWに乗っている。
大きな家を建てている。
それだけで、
「あの先生、儲かっているんだな」
と分かる。
だから、
「自分もいつか開業して、ああなりたい」
と憧れる人も当然出てきます。
■正直、「お金を稼ぎたい」という人も多かった
僕が柔道整復師の学校に入った頃も、
「将来、人の役に立ちたい」
「困っている患者さんを助けたい」
もちろん、
そういう志の高い人もいました。
ただ、
全員が全員、
そんな綺麗な理由だけで入学していたかというと、
僕の記憶では、
そんなことはなかったと思います(笑)
結構いましたよ。
「整骨院って儲かるらしい」
「資格取って開業したい」
「将来、自分で商売したい」
「サラリーマンより稼ぎたい」
そんな理由で入ってきた人が。
脱サラして入学してくる人もいました。
すでに社会人として働いていて、
「このまま会社員を続けるより、資格を取って独立したい」
と考えて学校に入ってくる。
あるいは、
親が整骨院を経営していて、
「将来、親の院を継ぐために資格を取る」
という人もいました。
つまり、
柔道整復師という資格が、
「手に職をつけて独立できる資格」
として非常に魅力的に見えていた時代だったんですね。
■僕自身も「お金を稼ぎたい」という気持ちはありました
そして、
これは人のことを言えません。
僕自身もそうでした。
僕は昔、
本当にお金がありませんでした。
だから、
「将来はちゃんとお金を稼げるようになりたい」
という気持ちはかなり強かったです。
一生会社に依存するのではなく、
手に職をつけたい。
資格を取りたい。
自分の技術で食べていけるようになりたい。
できれば独立したい。
そして、
「もっとお金を稼ぎたい」
そういう気持ちも、
この業界に入った理由の一つです。
別に僕は、
お金を稼ぎたいという理由で仕事を選ぶこと自体、
悪いことだとは思っていません。
もちろん、
患者さんを騙したり、
必要のない施術をしたり、
不正なことをしてお金を稼ぐのは論外です。
でも、
「もっと豊かな生活をしたい」
「家族に楽をさせたい」
「会社員より稼ぎたい」
「自分の力で人生を変えたい」
そう思うこと自体は、
何も悪いことではありません。
むしろ、
僕自身も貧乏だったからこそ、
お金を稼ぐことに対するハングリー精神があったと思っています。
■ところが、時代は大きく変わりました
問題はここからです。
昔の成功モデルが、
そのまま現在も通用するのか?
答えは、
かなり厳しいと思います。
特に保険を中心とした整骨院経営については、
昔と現在では環境が大きく違います。
保険の取り扱いも厳しくなっています。
適正な請求がこれまで以上に求められます。
患者さん側も、
昔より情報を持っています。
インターネットで簡単に検索できます。
Googleマップで口コミを見る。
ホームページを見る。
SNSを見る。
他院と比較する。
料金を比較する。
施術内容を比較する。
そして、
「ここは自分に合わないな」
と思えば、
簡単に別の院を探せます。
つまり、
昔と同じ感覚で、
「資格さえ取れば食べていける」
「開業さえすれば患者さんが来る」
「整骨院を出せば儲かる」
と考えるのは、
かなり危険だと思います。
■昔の成功体験ほど危険なものはない
これは治療院業界に限った話ではありません。
僕が最近よく思うのは、
「過去に成功した方法ほど、変えるのが難しい」
ということです。
人間は、
一度うまくいった方法をなかなか捨てられません。
たとえば、
昔チラシを撒いたら患者さんが来た。
だから、
ずっと同じチラシを撒き続ける。
昔この営業方法で紹介が増えた。
だから、
ずっと同じ営業を続ける。
昔この場所で開業したらうまくいった。
だから、
今も同じ立地戦略で考える。
昔は保険中心で経営が成り立った。
だから、
今も同じモデルに固執する。
でも、
環境が変わったら、
同じ方法を続けても結果は変わります。
魚がたくさんいた場所でも、
環境が変わって魚がいなくなれば、
同じ場所に釣り糸を垂らし続けても釣れません。
そこで、
「昔はここで釣れたんだ!」
と言っても仕方がないんですよね。
魚が移動したなら、
自分も移動しなければいけません。
■「昔は良かった」と言っても何も変わらない
治療院業界でも、
「昔は良かった」
という話を聞くことがあります。
昔は保険でやっていけた。
昔は患者さんがたくさん来た。
昔は開業すれば儲かった。
昔は広告なんてしなくても口コミで来た。
昔は競合も少なかった。
確かに、
そういう時代があったのだと思います。
でも、
残念ながら、
昔には戻れません。
「昔は良かった」
と100回言っても、
制度は昔には戻りません。
インターネットがなくなることもありません。
AIがなくなることもありません。
競合が突然いなくなることもありません。
患者さんが情報を調べなくなることもありません。
だったら、
僕たちが変わるしかないんですよね。
■時代はものすごいスピードで変化している
僕がこの業界に入った頃と現在を比べても、
世の中はかなり変わりました。
昔は、
ホームページを持っているだけでも、
それなりに差別化になりました。
今はホームページがあるのは当たり前。
スマートフォンも当たり前。
Google検索も当たり前。
SNSも当たり前。
YouTubeも当たり前。
LINEも当たり前。
そして今は、
AIです。
文章を書く。
画像を作る。
動画を作る。
資料を作る。
アイデアを考える。
情報を整理する。
今まで何時間もかかっていた仕事が、
AIを使えば短時間でできるようになってきました。
おそらく、
これからさらに変わります。
5年後なんて、
僕にも分かりません。
10年後なんて、
もっと分かりません。
ただ一つ分かるのは、
「今とまったく同じではない」
ということです。
■これから必要なのは「正解を知っている人」ではない
だから僕は、
これからの時代に必要なのは、
「正解を知っている人」
ではないと思っています。
なぜなら、
正解そのものが変わるからです。
昨日までの正解が、
明日には正解ではなくなる可能性がある。
だったら必要なのは、
「変化したときに、自分の考え方を変えられる人」
です。
僕はこれを、
「適応力」
だと思っています。
一つの方法に固執しない。
一つの収入源に固執しない。
一つの集客方法に固執しない。
一つの働き方に固執しない。
そして、
「今の環境なら何をすればいいのか?」
をその都度考える。
この力が、
これからますます重要になると思います。
■資格は大切。でも資格だけでは守ってくれない
国家資格はもちろん大切です。
僕自身、
資格を取ったことを後悔していません。
手に職があることは、
今でも大きな強みだと思っています。
でも、
資格を持っているだけで、
人生が保証されるわけではありません。
これは治療家に限らないでしょう。
資格を持っていても、
集客できなければ仕事は増えません。
患者さんとの信頼関係を作れなければ継続しません。
制度を知らなければ、
思わぬところで問題が起きます。
経営を知らなければ、
売上があってもお金が残りません。
お金の知識がなければ、
稼いでも資産は増えません。
時代の変化を見ていなければ、
気づいたときには取り残されます。
だから、
「資格+何か」
が必要なんだと思います。
■施術だけできればいい時代ではなくなっている
僕は治療家だからこそ、
施術技術を高めることは当然大切だと思っています。
患者さんに喜んでもらう。
身体の状態をしっかり見る。
安全に施術する。
これは大前提です。
ただ、
自分で事業をするのであれば、
それだけでは足りません。
営業。
マーケティング。
経営。
制度。
税金。
資産形成。
インターネット。
SNS。
AI。
こういったものも、
少しずつ学んでいく必要があります。
全部の専門家になる必要はありません。
でも、
「自分には関係ない」
と切り捨ててしまうのは、
もったいないと思います。
■AIも「怖い」で終わらせるか、「使ってみる」か
これは今、
まさに起きていることですよね。
AIについても、
「よく分からない」
「難しそう」
「自分の仕事には関係ない」
「AIなんて使わない」
という人もいます。
もちろん、
無理に使う必要はありません。
ただ、
一度くらい使ってみればいいと思うんです。
文章を作ってみる。
患者さん向けの資料の下書きを作る。
営業資料のアイデアを出してもらう。
自分の考えを整理してもらう。
ニュースレターを作る。
SNS投稿の案を考える。
そうすると、
「あ、こんなことができるんだ」
と分かります。
そのうえで、
使うか使わないか判断すればいい。
最初から拒絶してしまうと、
選択肢そのものがなくなってしまいます。
■一つの収入源だけに依存しないという考え方も必要
そして僕は、
これから特に重要になるのが、
「一つだけに依存しすぎない」
という考え方だと思っています。
昔なら、
整骨院を開業して、
そこで一生やっていく。
それでも良かったのかもしれません。
でも今は、
制度も変わります。
人口構造も変わります。
競争環境も変わります。
テクノロジーも変わります。
だったら、
収入の柱も一つだけにしておく必要はありません。
施術収入がある。
別の収入もある。
資産からの収入もある。
自分の知識や経験を活かした収入もある。
複数の柱があれば、
一つの環境が悪くなったときにも、
対応しやすくなります。
これも僕にとっては、
時代への適応の一つです。
■「昔はベンツに乗れた」に戻る必要はない
僕は別に、
昔の整骨院業界に戻った方がいいとは思っていません。
「昔みたいに保険でたくさん稼げる時代に戻ってほしい」
という話でもありません。
むしろ、
今には今のチャンスがあります。
昔は個人が情報発信するのは難しかった。
今なら、
スマホ一台で発信できます。
昔はテレビや新聞に広告を出せる企業が強かった。
今なら個人でも、
YouTubeやSNSで全国に情報を届けられます。
昔は商品を作るにも、
大きな資金が必要でした。
今なら自分の知識をPDFや動画にして、
商品にすることもできます。
昔は投資を始めるにも、
今ほど便利ではありませんでした。
今ならスマートフォンから、
低コストの商品にアクセスできます。
そしてAIまで登場しました。
つまり、
昔のチャンスがなくなった代わりに、
昔には存在しなかったチャンスが、
たくさん生まれているんです。
■問題は「時代が変わったこと」ではない
僕は、
時代が変わること自体が問題なのではないと思っています。
一番怖いのは、
時代が変わっているのに、
「自分だけ変わらないこと」
です。
昔の成功法則を握りしめて、
「これが正しい」
と言い続ける。
昔の働き方に固執する。
昔の集客方法だけに固執する。
昔の収入モデルだけに依存する。
これが一番危ない。
逆に言えば、
変化を受け入れられる人にとっては、
時代の変化はチャンスにもなります。
■結局、生き残るのは「柔軟な人」だと思う
僕がこの業界に入った頃、
「整骨院を開けばベンツに乗れる」
そんな成功イメージがありました。
でも、
今から同じ夢を追いかけても、
環境そのものが違います。
だから、
昔の成功者と同じことをするのではなく、
「今の時代なら、どうすればいいのか?」
を考える。
そして、
時代がまた変わったら、
もう一度考え直す。
これを繰り返す。
結局、
長く生き残れる人というのは、
一番頭のいい人でも、
一番資格を持っている人でも、
一番施術が上手な人でもなく、
「環境の変化に合わせて、自分を変えられる人」
なんじゃないかと思っています。
■10年前の正解を、10年後まで続けない
僕自身も、
これから先、
何が正解なのか分かりません。
AIがどこまで進化するのかも分かりません。
治療院業界がどう変わるのかも分かりません。
社会保障制度がどう変わるのかも分かりません。
でも、
だから面白いとも思っています。
分からないから、
勉強する。
試してみる。
ダメなら変える。
良ければ続ける。
また環境が変わったら、
もう一度変える。
僕はこれでいいと思っています。
昔、
「整骨院を開けばベンツに乗れる」
と言われた時代がありました。
その時代の成功法則は、
もうそのままでは通用しないでしょう。
でも、
「昔より稼げなくなった」
「昔より厳しくなった」
と嘆くだけでは、
何も変わりません。
昔にはなかったインターネットがあります。
SNSがあります。
YouTubeがあります。
AIがあります。
個人でも情報発信できます。
自分の商品を作れます。
自分の経験や知識を収入に変えることもできます。
資産形成もしやすくなりました。
働き方そのものだって、
自分で設計しやすくなっています。
そう考えると、
昔より悪くなったこともあれば、
昔より圧倒的に恵まれていることもあるんですよね。
だから大切なのは、
「昔は良かった」
ではなく、
「じゃあ、今の時代に自分は何をするのか?」
だと思います。
昔の成功法則を追いかけるのではなく、
今の環境を見て、
自分なりの成功法則を作る。
そして、
その成功法則すら永遠だとは思わない。
時代が変われば、
また変える。
この柔軟性と適応力こそ、
これからの時代を生きていくうえで、
かなり大切な力になるんじゃないかなと思っています。
10年後、
「あの頃はAIを使えば稼げたよね」
なんて言っている可能性だってありますからね(笑)
そのときにまた、
「じゃあ、今は何をすればいい?」
と考えられる自分でいたいものです。