こんにちは、黒羽です。

今日は、訪問鍼灸・訪問マッサージの現場で、多くの先生が一度は悩むテーマについてお話ししたいと思います。

それは、

「施術回数をどう決めるか」

ということです。

私はこれまで多くの先生とお話ししてきましたが、

「初回説明で回数の提案に自信がない。」

「患者さんに週1回でいいと言われると、そのまま了承してしまう。」

「本当は週2回くらい必要だと思うけど、強く言えない。」

そんな声を本当によく耳にします。

実は、私自身も開業したばかりの頃は同じでした。

患者さんの希望を優先した方が親切なのではないか。

そう思っていた時期があります。

しかし、経験を重ねる中で一つ気付いたことがあります。

それは、

施術回数は、患者さんに決めてもらうものではなく、施術者が身体評価をもとに提案するものだ

ということです。

例えば病院で、

「先生、薬は何日に1回飲みましょうか?」

と患者さんが決めることはありません。

理学療法士が、

「リハビリは月に何回にしますか?」

と患者さんへ判断を委ねることもほとんどありません。

身体を評価し、

専門家として最適だと考える治療計画を提案します。

私たちも同じです。

もちろん患者さんの希望を無視するという意味ではありません。

まずは身体をしっかり評価し、

現在の状態、

今後予想される変化、

施術を続ける目的、

これらを丁寧に説明したうえで、

「私は週2回くらいが適切だと思います。」

と提案する。

これが本来の姿だと思っています。

一方で、患者さんから、

「週1回くらいでも大丈夫ですか?」

と聞かれることもあります。

ここで、

「分かりました。」

とすぐ変更してしまう先生も少なくありません。

でも、一度立ち止まって考えてみてください。

患者さんは医学的な判断をしているのでしょうか。

多くの場合は違います。

「今は痛くない。」

「できるだけ費用を抑えたい。」

「先生に迷惑を掛けたくない。」

そんなお気持ちから話されていることがほとんどです。

だから私は、

まず理由をお聞きします。

そして、

「今調子が良いのは、定期的に施術を続けてきたことも一つの理由なんですよ。」

「急に回数を減らすと、また筋肉が硬くなったり、歩きづらくなる可能性があります。」

と、身体の状態を分かりやすくお伝えします。

すると、多くの患者さんは、

「そういうことなんですね。」

と納得してくださいます。

もう一つ、大切にしていることがあります。

それは、

回数だけを伝えないこと。

例えば、

「週2回でお願いします。」

だけでは、患者さんは納得できません。

でも、

「歩く力を維持するためです。」

「転倒を予防するためです。」

「関節が硬くならないようにするためです。」

この目的まで伝えると、

患者さんは数字ではなく、

“必要性”

を理解してくださいます。

私は訪問施術を始めてから、

施術回数とは単なる予定表ではないと感じています。

患者さんの身体を守るための治療計画であり、

ご家族へ安心を届ける計画でもあり、

ケアマネジャーや医師との信頼関係を築く大切な提案でもあります。

だからこそ、

何となく決めるのではなく、

身体評価に基づいて、

根拠を持って提案することが大切です。

もし今、

施術回数の提案に迷うことがあるなら、

ぜひ一度、

「この患者さんは3か月後、半年後にどうなっているだろう。」

という視点で身体を見てみてください。

きっと、今日とは違った提案ができるようになると思います。