こんにちは。黒羽です。

 

毎年夏になると、訪問鍼灸や訪問マッサージをされている先生なら、一度はこんな経験があるのではないでしょうか。

 

利用者さんのお宅へ伺い、玄関を開けた瞬間、

「えっ、こんなに暑いの?」

と思うことがあります。

 

室内は30℃を超えているような暑さ。

それなのにエアコンは止まったまま。

 

「今日は暑いですね。」

と声をかけても、

 

「私は寒がりだから。」

「まだ大丈夫。」

「昔はエアコンなんてなかったからね。」

そんな返事が返ってきます。

 

しかし、本当に大丈夫なのでしょうか。

実は、高齢者がエアコンをつけない理由には、いくつもの原因があります。

 

 

① 寒がりになっている

 

年齢とともに筋肉量が減り、暑い日でも寒く感じる方が少なくありません。

私たちなら暑くて汗をかく室温でも、高齢者は「少し寒い」と感じることがあります。

そのため、エアコンを嫌がる方がいます。

 

 

② 暑さを感じにくくなっている

 

高齢になると、体温を調節する機能や暑さを感じる感覚が低下します。

本人は「暑くない」と思っていても、体の中では熱がどんどん蓄積され、気付かないうちに熱中症へ進行してしまうことがあります。

 

 

③ 「昔はエアコンなんて使わなかった」

 

「昔は扇風機だけで十分だった。」

「昔からこれで生活してきた。」

このような話をされる方も多いでしょう。

確かに昔はそうだったかもしれません。

しかし、今の夏は昔とは違います。

35℃を超える猛暑日が当たり前になり、昔の経験だけでは対応できない暑さになっています。

 

 

④ 電気代がもったいない

 

私が一番多いと感じる理由がこれです。

「電気代が高いから。」

「年金生活だから節約しないと。」

そう考えて、暑さを我慢している方は本当に多くいらっしゃいます。

 

しかし、エアコンの電気代は、設定温度にもよりますが、1か月で数百円から1,000円程度の差で済むこともあります。

一方で、熱中症になれば救急搬送や入院が必要になる可能性もあり、身体への負担はもちろん、医療費も大きくなります。

命を守るための電気代と考えれば、決して高いものではありません。

 

 

実は、私たちもかなり消耗しています

 

これはあまり表立って言われることはありません。

しかし、訪問鍼灸や訪問マッサージの現場では切実な問題です。

エアコンのついていない部屋で20〜30分施術をするだけでも、大量の汗をかきます。

さらに、その後も何件も訪問が続きます。

 

水分も体力も少しずつ奪われ、施術者自身が熱中症になる危険もあります。

患者さんを守るためにも、私たち自身の体を守るためにも、安全な室温で施術を受けていただくことはとても大切なのです。

 

 

でも…

「エアコンをつけてもらえますか?」

とは、なかなか言いづらいものです。

 

利用者さんのお宅ですし、

「余計なお世話と思われたらどうしよう。」

「節約しているのに申し訳ない。」

そんな気持ちから、遠慮してしまう先生も多いと思います。

 

だから私は、直接お願いするのではなく、一枚のチラシを活用しています。

 

チラシなら自然に伝えられます

口頭だけでは、なかなか伝わらないことがあります。

 

しかし、チラシなら、

・なぜ熱中症が危険なのか

・エアコンをつけないリスク

・電気代は実際どのくらいなのか

・エアコンを上手に使うコツ

 

などを、イラスト付きで分かりやすく説明できます。

 

「先生に言われたから」ではなく、

「読んで納得したから。」

この流れを作れるのがチラシの良いところです。

ご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャーが見ることもあります。

 

一枚のチラシがきっかけで、

「今日からエアコンをつけよう。」

そう思っていただけることも少なくありません。

 

 

訪問鍼灸・訪問マッサージだからこそできる熱中症対策

私たちは定期的に利用者さんのお宅へ訪問しています。

 

だからこそ、

部屋の暑さ。

利用者さんの顔色。

汗の量。

水分摂取の状況。

少し元気がない様子。

こうした小さな変化に気付くことができます。

 

施術をするだけではなく、利用者さんが安心して夏を過ごせるようサポートすることも、私たちの大切な役割ではないでしょうか。

一枚のチラシが、利用者さんの命を守るきっかけになるかもしれません。

そして、施術者自身も安心して施術できる環境づくりにつながります。