こんにちは。

先日、新聞で

「障害福祉の不正受給」
「参入の壁が低く指導が後手」

といった記事が話題になっていました。

不正受給額が数十億円規模という報道を見ると、

「福祉業界って大丈夫なの?」
「結局、お金儲けのためにやっているんじゃないの?」

そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。

今日は少し踏み込んで、

放課後等デイサービスや機能訓練特化型デイサービスで起きている問題についてお話ししたいと思います。

まず最初にお伝えしたいのは、

放課後等デイサービスも機能訓練特化型デイサービスも、本来は非常に必要な制度だということです。

放課後等デイサービスは障害のある子どもたちの居場所づくりや発達支援、そして家族の負担軽減を目的として作られました。

機能訓練特化型デイサービスも、高齢者が運動機能を維持し、できるだけ長く自立した生活を送るために生まれた仕組みです。

つまり、制度そのものが悪いわけではありません。

むしろ多くの利用者や家族を支えてきた大切な制度です。

では、なぜ問題が起きるのでしょうか。

報道されている事例を見ると、

・利用時間や利用日数の水増し
・資格者配置の偽装
・加算取得のための書類作成
・実態の伴わない支援計画

などが挙げられています。

もちろん一部の事業所の話です。

しかし、こうした行為が全国規模になると莫大な金額になります。

ここで見えてくるのは、

「利用者への支援」よりも「請求の仕組み」が優先されてしまう構造です。

実際、福祉や介護の報酬制度は非常に複雑です。

どの加算を取得するか。

どの要件を満たすか。

どの書類を作成するか。

こうした部分が経営に大きく影響します。

その結果、

本来は利用者のための制度なのに、

一部では「どうやって請求を増やすか」という発想になってしまうことがあります。

また、こうした話題になると、

柔道整復師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師がよく話題に出ます。

なぜなら機能訓練指導員として制度上関わることができるからです。

さらに整骨院や鍼灸院業界は競争が激しくなり、

介護や福祉分野へ参入する事業者が増えました。

そのため、

「またあの業界か」

という印象を持つ人もいます。

確かに療養費制度では過去に不正請求問題がありました。

しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。

それは、

問題は資格ではない

ということです。

医師が経営する法人でも不正はありました。

社会福祉法人でも不正はありました。

株式会社でも不正はありました。

つまり、

資格が問題なのではなく、

制度の穴と経営者の価値観の問題なんです。

参入しやすい制度。

書類中心の運営。

監査する側の人手不足。

利益優先の経営。

これらが重なると、不正が起きやすくなります。

逆に言えば、

同じ資格を持っていても、

利用者のために真面目に取り組んでいる方もたくさんいます。

私はこうした問題を見るたびに、

福祉や介護は本来「儲けるための仕組み」ではなく、

「支えるための仕組み」であるべきだと思います。

もちろん事業として継続するためには利益も必要です。

しかし利益が目的になった瞬間に、

利用者は数字になってしまいます。

そうなると制度はゆがみ始めます。

利用者や家族として大切なのは、

不正を見抜こうとすることではありません。

それよりも、

・職員の説明が具体的か
・利用者への関わりが丁寧か
・質問に真摯に答えてくれるか
・契約を急がせないか
・現場の雰囲気が自然か

こうした部分を見ることです。

結局のところ、

「この人たちに任せたい」

そう思えるかどうかが一番大切なのかもしれません。

ニュースの見出しだけを見ると、

つい誰かを悪者にしたくなります。

しかし本当に見るべきなのは、

個人ではなく仕組みです。