こんにちは。黒羽です。
今日は、少し視点を変えてお話しします。
全国で問題になっている脱毛サロンの倒産・前払金トラブル。
これを「エステ業界の話」「美容業界の問題」として片づけてしまうのは、実はとても危険です。
なぜなら最近、治療院業界でも脱毛を取り入れる院が増えているからです。
さらに言えば、脱毛に限らず、高額な回数券や長期プログラム、年間契約、パッケージ治療などを提供している院も少なくありません。
つまり、この問題は決して“蚊帳の外”ではないのです。
脱毛サロン問題の本質は、「前払い」そのものではありません。
本質は、
高額前払い
長期契約
将来提供するサービスを先に売る
というビジネス構造にあります。
これは治療院でも、十分に起こり得る構造です。
例えば、
・年間通院プラン
・数十万円の自費改善プログラム
・回数無制限メンテナンス契約
・一括前払いの矯正コース
これらは、やり方を間違えれば、同じリスクを抱えます。
もし万が一、経営が傾いたらどうなるのか。
院長が病気になったら。
設備投資が過大だったら。
資金繰りが崩れたら。
前払いをしてくれた患者さんに、
十分なサービスを提供しきれない事態は起こり得ます。
そして一度でもそれが起きれば、
院の信頼は一瞬で崩れます。
脱毛業界で起きていることは、
単なる倒産ニュースではありません。
「前受金に依存するモデルは、資金繰りが崩れた瞬間に顧客リスクへ転嫁される」
という構造的警告です。
特に気をつけるべきなのは、
広告と契約内容のズレです。
「通い放題」
「無制限」
「根本改善プログラム」
「一生サポート」
こうした言葉は強いですが、
契約書にどう明記されているか。
本当に提供可能な範囲なのか。
期間や条件は明確か。
ここが曖昧だと、トラブルの種になります。
また、無料カウンセリングから高額契約へ誘導する流れも、
業界として注意が必要です。
治療の必要性を説明することと、
冷静な判断力を失わせることは、まったく別です。
高額契約を扱うなら、
・返金ルールは明確か
・中途解約の計算は透明か
・万が一のときの対応方針はあるか
・前受金に依存しすぎていないか
これらを常に自問する必要があります。
前払いは、経営を安定させる側面があります。
しかし同時に、
未来の自分に負債を背負わせる行為でもあります。
今日契約を取ることよりも、
3年後もサービスを提供できる体制を保てるか。
ここが最も重要です。
私たちは医療・施術に関わる立場です。
信頼がすべての世界です。
だからこそ、
「売れるかどうか」ではなく
「続けられるかどうか」
を軸に設計する必要があります。
脱毛サロンの倒産問題は、
業界を超えた警鐘です。
高額契約を扱うときこそ、
誠実さと透明性を徹底する。
前受金に依存しすぎない。
長期契約に甘えない。
患者さんにとっても、
自分たちにとっても、
持続可能な形を選ぶ。
これが、これからの治療院経営で
ますます重要になっていきます。
他人事ではありません。
構造を理解することが、
最大のリスク管理です。