こんにちは。黒羽です。

訪問鍼灸マッサージを行っていると、
どれだけ気をつけていても請求業務で「ヒヤッ」とする瞬間は出てきます。

今日は、その中でも非常に多く質問をいただくテーマについてお話しします。

それは、

本来は同時に算定できない
変形徒手矯正術と温罨法を、間違えて両方請求してしまった
というケースです。

しかも、

・返戻もない
・保険者からも連絡がない
・そのまま請求が通ってしまった

こういう状況になると、ほとんどの方が一度はこう考えます。

「もう通ってしまったし、何も言われていない」
「今さらこちらから言わなくてもいいのではないか」
「わざわざ申告して、面倒なことになりたくない」

この気持ち自体は、決しておかしなものではありません。
現場で請求業務をしていれば、誰でも一度は頭をよぎる考えです。

ただ、ここで一番大切なのは、
“請求が通ったかどうか”と“正しい請求かどうか”は、まったく別物だということです。

保険請求の世界では、

・保険者が気づかなかった
・チェックが甘かった
・結果的に支払われた

こうした事情は、正当性の根拠にはなりません

重要なのは、
「ルール上、算定してよかったかどうか」
ただそれだけです。

変形徒手矯正術と温罨法は、
通知や取扱い上、同時に算定できない施術とされています。

つまり、意図的であれ、単純なミスであれ、
両方を請求してしまった時点で、
請求内容としては誤りになります。

では、このような場合、
正直に申し出た方がいいのか、それともスルーしていいのか。

結論から言うと、
正直に申し出る方が、圧倒的にリスクが低いです。

なぜかというと、
保険者や行政が問題にするポイントは、
「間違えたかどうか」よりも、
「どういう姿勢で請求をしているか」だからです。

自分から申し出た場合、

・単純な請求ミスとして扱われやすい
・過誤調整で済むケースが多い
・悪質性を疑われにくい

このような対応になることがほとんどです。

一方で、

「何も言われていないから大丈夫」
「今回は運が良かっただけ」

こうしてスルーしてしまうと、
後になって別のタイミングで確認が入った際に、
話はまったく違ってきます。

実地指導や個別指導では、

・過去の請求内容
・算定の考え方
・同様の請求が繰り返されていないか

こうした点を、まとめて見られます。

そのときに、

「実は以前も、同時加算できないものを請求していました」
という状態が見つかると、
単なるミスでは済まなくなる可能性が出てきます。

結果として、

・まとめて返還を求められる
・請求全体を厳しく見られる
・信頼を大きく落とす

こうした事態につながることも、決して珍しくありません。

だからこそ、
「気づいた時点で修正する」
「正しく請求しようとする姿勢を示す」

これが、長く安心して仕事を続けるための
一番現実的な選択になります。

保険請求は、
「バレなければいい」という考え方で進めるほど、
後になって自分の首を絞める仕組みになっています。

逆に言えば、

・ルールを理解する
・ミスに気づいたら修正する
・分からない点は確認する

この基本を押さえておくだけで、
余計な不安やトラブルは大幅に減らせます。

もし今、

・請求のルールがあやふや
・加算の整理ができていない
・この請求、本当に大丈夫かなと不安になることが多い

そう感じているなら、
一度しっかり整理しておくことをおすすめします。

請求は、施術と同じくらい大切な業務です。
正しく行えていれば、無駄なストレスを抱えずに済みます。

安心して仕事を続けるためにも、
「通ったからOK」ではなく、
「正しいかどうか」で判断する。

この視点を、ぜひ持っておいてください。