こんにちは、黒羽です。
今日は「面接で感じる小さな違和感」について話します。
これは、僕が多くの治療院の採用相談を受けてきた中で、
ほぼ共通して起きる“あるある”です。
■ 面接では「大丈夫です」と言うけれど、現実は違う
面接のとき、こちらが確認のために質問をしますよね。
「お子さんがまだ小さいようですが、体調不良のときはどうされますか?」
すると、ほとんどの方はこう答えます。
「親が見てくれるので大丈夫です」
「あまりそういうことはないです」
「夫が休めるので大丈夫です」
一見、頼もしい返事ですが――
正直に言うと、ここが最初の“地雷ポイント”です。
実際に雇ってみると、数ヶ月後にはこうなります。
「子どもが熱を出して…」
「実は子どもが不登校で…」
「朝、学校に行かないことが多くて…」
このような“後出しの事情”が出てくるケース、
本当に多いんです。
■ なぜこうなるのか?面接では「良く見せよう」とするから
これは、相手が悪いというよりも“人間の心理”なんです。
誰だって、採用されたいから、
「不利になること」は言いたくない。
でも、経営者側からすると、
この「一時的な取り繕い」がのちに大きなリスクになります。
- シフトが急に回らない
- 他のスタッフの負担が増える
- 患者さんの予約変更が連続する
- チーム全体のモチベーションが下がる
だからこそ、面接での違和感を無視しないことが何より大切です。
■ 「重々承知しています」は“理解”ではなく“同意を得たいだけ”
特に注意してほしいのが、
こちらが説明をしたあとに出てくるこの言葉。
「重々承知しています。」
このフレーズ、要注意です。
一見、しっかり理解しているように聞こえますが、
実際には「その場をうまく切り抜けるための言葉」であることが多い。
なぜなら、“理解”しているなら、
具体的な反応や質問が返ってくるからです。
例えば本当に理解している人なら、こう聞き返します。
「もしもの時は事前に連絡すれば大丈夫ですか?」
「他のスタッフさんと交代などのルールはありますか?」
でも、“重々承知しています”だけで終わる人は、
本質的には分かっていないケースがほとんど。
これは、後々「言った・言わない問題」に発展するリスク大です。
■ “ちょっと引っかかる”人は、9割の確率で後から問題化する
経営をしていると、
「なんか違和感あるけど…まぁ大丈夫だろう」
という瞬間がありますよね。
でも、経験上、この“ちょっと引っかかる”はほぼ的中します。
面接で少しでも言葉に矛盾があったり、
目線をそらしたり、話をはぐらかすような印象があるなら、
それは冷静にスルーすべきサインです。
雇ってから気づいても遅いんです。
なぜなら、辞めてもらうのは、採用よりも何倍もエネルギーを使うから。
■ 採用で失敗しないための3つの原則
僕が実際にコンサルで伝えているポイントは、たった3つです。
- 「大丈夫です」をそのまま信じない
→ 具体的な過去の事例を聞く(例:過去にどのくらい休まれましたか?) - 「重々承知です」に安心しない
→ 具体的な対応策を自分から言えるかチェックする - “ちょっと引っかかる”を無視しない
→ 違和感は経験が警鐘を鳴らしているサイン
■ まとめ:冷静な採用が、優しい職場をつくる
“やさしい経営”は、“甘い採用”とは違います。
やさしさは、「本音で話せる信頼関係」の上に成り立つもの。
そのためには、最初の面接で、冷静に・慎重に・現実的に判断することが必要です。
「気になるけど、まぁ大丈夫か…」
この“まぁ”が、のちに大きなトラブルの種になります。
経営者としての優しさとは、
「現実を直視し、無理をさせないこと」。
そして「お互いに嘘をつかない関係をつくること」。
それが結果的に、
スタッフも患者さんも幸せにする職場を作ります。
■ 最後に一言
もしあなたが「面接で違和感を感じた経験」があるなら、
それは感覚ではなく、“経営者としての直感”です。
その直感、信じて正解です。