こんにちは、黒羽です。

訪問鍼灸や訪問マッサージをしていると、時々「患者照会」の紙が届きますよね。
これは保険者が外部の調査会社などに委託して、施術の必要性や実態を確認するために行われる調査です。

ただ、この書類は施術者が書くものではなく、患者さん本人が記入するものです。
ここで問題になるのが、患者さんが勝手に書いて出してしまうケース。


■ 患者さんが勝手に書くと起こるリスク

患者さんは悪気なく「なんとなく」で書いてしまうことがあります。

  • 「週3回来てもらっている」と思い込みで書いてしまった(実際は週2回)。

  • 「鍼もしている」と憶測で書いてしまった(実際はマッサージのみ)。

  • 「良くなった」と軽く書いたため、保険者から「必要性なし」と判断された。

こうなると、請求が返戻になってしまうことがあります。
こちらに不正の意図がなくても、記録と患者照会の内容に差異があると、保険者は厳しく判断してくるのです。


■ 実際にあった事例

ある先生の患者さんは「毎日やってもらっている」と記入。
実際の施術記録は週2回だったため、整合性が取れず返戻に。
再度説明書類を提出することになり、大きな手間と時間を取られたそうです。


■ 対処法

ここで大事なのは「患者さんが書くからこそ間違いが起きやすい」という前提を踏まえた準備です。

  1. サンプルを用意する
     患者照会が来たときは、こちらで「記入例」をあらかじめ作って渡す。
     例:「施術は週2回」「マッサージ中心で行っています」など。

  2. 患者さんに説明する
     「この用紙は患者さんが書くものですが、間違いがあると返戻になります。サンプル通りに書いていただけると助かります」と伝えておく。

  3. 回収する仕組みを作る
     可能であれば、患者さんが記入した後にこちらで確認してから提出してもらう。


■ まとめ

患者照会は「患者さんが書く書類」である以上、間違いが起きやすい構造になっています。
だからこそ、

  • 事前にサンプルを用意する

  • 書き方をしっかり伝える

  • 提出前に確認する

この3つを徹底することで、返戻リスクを大きく減らせます。

👉 書類対応もまた、訪問鍼灸マッサージ師にとって大切な仕事の一部。
信頼を守るために「準備力」でトラブルを防ぎましょう。