こんにちは、黒羽です。

今日は「訪問鍼灸マッサージにおける時間管理」についてお話しします。

僕自身も開業当初はよく悩んだテーマですが、外来と訪問では時間の感覚がまったく違います。

治療院に来院される外来患者さんであれば、予約を受け付けて予定を組み、万が一キャンセルやドタキャンがあっても「こちらが迷惑を被る」という立場になりますよね。

しかし訪問の場合は逆です。患者さんやご家族からすれば、「先生が来てくれる時間」が一週間の中でのイベントであり、楽しみに待っているものです。だからこそ、たとえ数分の遅れであっても大きな不信感につながることがあるのです。


■ なぜ訪問時間を守ることが重要なのか?

  1. 患者さんが楽しみに待っているから
    「毎週月曜と金曜の9時に先生が来る」と習慣になっている患者さんにとって、訪問時間は生活リズムの一部。
    僕の患者さんの中には、時計を見ながら玄関先で待っていてくださる方もいました。
    その期待を裏切ってしまうと、信頼を損ねるだけでなく気分を害してしまうこともあります。

  2. ご家族との信頼関係
    ご家族は介護だけでなく買い物や役所、銀行など用事がぎっしりです。
    「10時に来るから、その後に外出しよう」と予定を立てているのに、こちらが15分遅れれば全体がずれ込んでしまう。
    この小さなズレが積み重なると、信頼が崩れてしまいます。

  3. 1日の全スケジュールに影響する
    僕もかつて1日14人を回ったことがあります。スケジュールはギリギリ、1件でも遅れたら domino のように全員に影響してしまう。
    だから訪問は外来以上に「時間との戦い」だと痛感しました。


■ 時間を守るための工夫(僕の実体験から)

  • 新しい患者さんを入れる時は、既存患者さんとの位置関係を必ず確認する

  • 出発時間を決めておき、1件ごとに“クッションの15分”を確保する

  • 渋滞が起こりやすい道は避け、雨の日は早めに出る

  • 15分以上遅れる/早く着きそうな場合は、必ず電話連絡する

これらは特別難しいことではありませんが、徹底することで患者さんの安心感が全く違います。


■ まとめ

訪問マッサージにおける「訪問時間」とは、単なるスケジュールではなく 患者さんとの大切な約束 です。
もちろん、突発的なトラブルで多少前後することもあります。
でも「必ず連絡する」「信頼を壊さない姿勢を見せる」だけで、患者さんの受け止め方は大きく変わります。

外来と訪問の違いを意識し、時間管理を“治療の一部”と考えて取り組む。
これが、長く信頼される訪問鍼灸マッサージ師の条件だと僕は思っています。