こんにちは、黒羽です。

「先生、治らない、痛い、全然ダメだよ」
こう言い続ける患者さん、いませんか?

ところが外で見かけると、普通に犬を連れて散歩していたり…。
腰が痛くて立てないと言っていたのに、買い物に出かけていたり…。

僕たち施術者からすると、「じゃあどっちが本当なんだ?」と感じてしまうこともありますよね。
しかもそういう患者さんに限って、鍼を提案しても「お金がかかるなら結構です」と断られる。
結果、「揉んでくれるだけでいい」というスタンスの方も少なくありません。

正直、感情移入しすぎて疲れてしまう先生も多いと思います。


■ 患者さんの「痛い」の裏にある心理

まず大前提として、患者さんの「治らない・痛い」という言葉は、必ずしも医学的事実とは一致しません。
そこには、

  • かまってほしい

  • 不安を聞いてほしい

  • 痛みを誇張することで安心を得たい

といった心理が含まれていることが多いです。

つまり「痛い=嘘」ではなく、「痛い=気持ちの表現」であることもあるのです。


■ 提案を受け入れない理由

こちらが「鍼をした方がいいですよ」と正しい提案をしても、

  • お金の問題

  • 鍼に対する不安や恐怖心

  • ただマッサージだけを求めている

といった理由で受け入れられないケースは珍しくありません。

これを「断られた」と受け止めるとストレスになりますが、
実は「その人が望むケアは何か?」を探るチャンスでもあるのです。


■ 対応のコツ

  1. 共感を優先する
     「痛いんですね」「大変ですね」とまず気持ちを受け止める。

  2. 選択肢として提示する
     「もし少しでも改善したいなら鍼という方法もあります」と、無理に押し付けず“選べる”形で提案する。

  3. 本人の目的に合わせる
     「とにかく楽になりたい」人にはリラクゼーションとして、
     「少しでも改善したい」人には治療的施術として。
     ニーズに応じた関わり方をする。


■ まとめ

  • 「痛い痛い」は医学的事実だけでなく“気持ちの表現”のことも多い

  • 提案を断られても、感情移入せずに“選択肢を置いておく”程度で良い

  • 無理に変えようとせず「その人の目的」に合わせることで、こちらも楽になる


👉 大切なのは「正しい治療を受けさせること」よりも、「患者さんの心を理解すること」。
そうすると不思議と信頼が深まり、後から「先生、鍼やってみようかな」と自分から言ってくれることもあります。