こんにちは、黒羽です。

日々、患者さんのために頑張っている治療家のあなたに、ちょっとだけ立ち止まって考えていただきたいことがあります。

それは──

「あなたの治療院、いつまで続けますか?」

「そんな先のこと、今は考えられないよ…」
「まずは目の前の患者さんを診ることで精一杯です…」

きっと、そんな声もあるでしょう。
でもね、これは夢の話じゃなくて、“現実としての出口戦略”の話なんです。

治療院業界の出口は、実はたったの4つしかありません。

訪問鍼灸マッサージでも、整骨院でも。
事業として成り立っている以上、どこかで「終わり」を迎えるタイミングがやってきます。

で、その「終わり方」には4つのパターンしかないんです。

1. 上場(これは夢…いや、幻想に近い)

上場って響きはいいですよね。
でも実際、私たちのような人が商品になる業界では、なかなか難しいのが現実です。

なぜなら、大企業のような仕組みやスケールではなく、施術家一人ひとりの“個性や腕”が価値になるから。

言ってしまえば、「あなただから通っている」という患者さんが多いわけです。
そうなると、上場して事業を拡大…なんてことは、かなり現実離れしている選択肢になってしまいます。

2. 廃業(計画がなければここに着地…)

望まないけど、何も考えていなければここに行き着く人が一番多いです。

体調を崩した、家族の介護が必要になった、借金が残った、スタッフが辞めた…。

こうなるともう、「やめざるを得ない」状態です。
でも、これは事前に備えていなかったツケでもあるんですよね。

3. 継承(理想だけど…現実は難関)

「息子に継いでもらいたい」「若手スタッフに引き継げたら…」

でも実際には、

・子どもは別の業界に行ってる
・スタッフに引き継ぐには時間も教育も必要
・自分と同じ施術スタイルじゃないと納得できない

こういった壁が立ちはだかるわけです。

特に、治療家はこだわりが強い人が多いので、
「自分と違うやり方をされるくらいなら閉めたい」ってなってしまう方も。

実際、私の周りでも継承がスムーズにいったケースって、ほんの一握りです。

4. 売却という現実的な道

これ、意外と知られていないけど、一番現実的だったりします。

「えっ、訪問マッサージや整骨院って売れるの?」
って思うかもしれませんが、買いたい人はいます。

たとえば、

・ゼロから開業するのが不安な人
・すでに地域に認知された院を引き継ぎたい人
・ケアマネやドクターとの関係がある方がスムーズに始められる

といった方々。

一方で、

・体力的に限界を感じている
・子どもに継がせる予定がない
・別のことに挑戦したいけど院を残したい

という売りたい側のニーズもあるんですよね。

つまり、“売却=悪いこと”ではなく、“立派な戦略”なんです。

自分の院の「終わり方」を考えるのは、経営者の責任

私は、以前スタッフを雇って治療院をやっていた時期があります。
でも、どうしても自分のスタイルと合わなかった。

「やっぱり一人が気楽でいいな」
って思ったんです。

だから今は、“一人でも自由な時間と安定収入を両立できる方法”をとことん追求しています。
そしてこのスタイルで落ち着きました。

でも、そんな僕でも「この院をいつまで続けるのか?」は常に考えています。

現役で動けるのは、せいぜい60代まで。
その後はどうするのか?
廃業か、誰かに譲るのか?

それによって、今やるべきことが全然変わってきます。

・スタッフ教育しておく?
・患者さんとの関係を個人ではなく院として築く?
・帳簿をきちんと整える?
・引き継ぎマニュアルを作っておく?

そういったことは、“今から準備”しておかないと間に合いません。

あなたの治療院、10年後、どうなっていますか?

「始まり」があったなら、「終わり」も必ずあります。

その“終わり方”を選べるのは、今のあなたしかいないのです。