こんにちは、黒羽です。

最近、接骨院を経営している柔整鍼灸師の先生から、よくこんな相談を受けます。

「このまま接骨院を続けていくのが不安で…」
「訪問鍼灸に興味はあるけど、両立できるか心配なんです」

気持ち、よくわかります。

柔整保険の制限が厳しくなり、今まで通りのやり方が通用しなくなってきた。
このままだと経営はジリ貧。
だけど、いきなり訪問鍼灸一本にするのは勇気が要る。

だからこそ今、接骨院をやりながら訪問鍼灸を始めたいという先生が増えているんです。

でも、ここで一つ冷静になって考えてみましょう。

両立は「可能」ですが、中途半端になってしまうリスクも同時に背負うことになります。


なぜ「両立」が難しいのか?

例えば、午前中は接骨院で外来施術。
昼休みに訪問鍼灸へ。
午後もまた外来。

頭も体も切り替えが大変です。
しかも、事務作業や保険請求はそれぞれ別で対応が必要。
アポイントの調整も二重管理になります。

つまり、事業が2本になれば、雑務も2倍になるんです。

とくに“ひとり治療院”の先生の場合、すべて自分でこなす必要があるので、時間の余裕も体力の余裕もどんどん削られていきます。

その結果、

・訪問の患者が増えずにモヤモヤ…
・接骨院の方も患者数が減ってジリ貧…
・どっちつかずで、ストレスだけが増える…

こんな“どん詰まり状態”になってしまう先生も、実際に少なくありません。


どうすればうまくいくのか?

答えはシンプルです。

「軸足」を決めること。

最初は両立でも構いません。
でも、将来的にどちらに本腰を入れるのか、今のうちから決めておく必要があります。

そして、決めたらそこに向かって設計していく。

例えば、

・訪問鍼灸を将来のメインにするなら、
 → 今は接骨院の時間を少し削って、訪問に当てる。
 → 徐々に訪問の患者数を増やして「切り替え」に備える。

・逆に接骨院メインを維持したいなら、
 → 訪問は曜日を限定し、リピートしやすい患者だけを対象にする。
 → 無理に拡大しない設計にする。

このように、「ただ始める」ではなく、
“どう終わらせて、どう本業化していくか”を見据えて行動することが大切です。


結局のところ、これからの生き残り戦略とは?

今は、店舗に依存するだけの時代ではありません。

固定費のかからない訪問鍼灸という選択肢がある以上、
柔整鍼灸師が“外に出る”ことが当たり前になる時代はすぐそこです。

院を持ちつつ外にも出る。
まずはその「実験」から始めてもいいでしょう。

でも、いつまでも「様子見」では変わりません。

あなたはどちらを選びますか?

・不安はあっても一歩踏み出して、自分の手で未来をつかむのか。
・現状を維持して、じわじわ削られるのを待つのか。

もしも、訪問鍼灸に可能性を感じているなら、
まずはお昼の1時間でも、空いてる曜日の1コマでもかまいません。

できるところから始めてください。
それが「店舗+訪問」の第一歩になります。