こんにちは、黒羽です。

訪問施術をしていると、いろんなお宅に伺うことになります。

それはもう、環境も生活スタイルも千差万別です。

で、たまにこういう声をいただきます。

「患者さんのお宅が、ちょっと臭いんです……どうしたらいいでしょうか?」

こういう話って、なかなか同業者同士でも話題にしづらいんですよね。

でも、現場に行ってる人なら、誰もが一度は経験することです。

結論から言います。

我慢しすぎる必要はありません。だけど、配慮も忘れてはいけません。

だからこそ今回は、「臭いがキツいお宅」での訪問施術を行う場合に、

実際にできる“現場目線”の対処法を、3つのステップでお伝えします。

 

ステップ① マスク+ハーブやアロマで“自分を守る”

まず、真っ先にできるのが「嗅覚対策」です。

最近ではマスクに直接貼れる「アロマシール」や「ミントスプレー」などが市販されています。

・アロマオイルを含ませたコットンをマスクの内側に入れる

・ミント系のスプレーを施術前にマスクに一吹きする

これだけでも、においのストレスが半減します。

特に、香りが強すぎず自然な「ラベンダー」「ユーカリ」「レモングラス」あたりがおすすめです。

ただし、香りが強すぎると患者さん自身にとって不快になってしまうこともあるので、

あくまで“自分にだけ香る範囲”を意識してください。

 

ステップ② 患者さん本人のせいにしない「環境要因」として捉える

臭いが強い家の多くは、本人の体臭や不潔さというよりも、

「部屋の換気が足りない」「ペットの匂い」「ゴミの処理ができていない」といった“環境的要因”が大半です。

そう思うと、少し気持ちが楽になります。

「この方が悪いのではなく、支援が行き届いていないだけなんだ」

「きっと訪問看護さんやヘルパーさんも同じように感じてるんだろうな」

と、冷静に“状況として客観視”してあげるだけで、イライラやモヤモヤが落ち着くこともあります。

 

ステップ③ ケアマネやご家族と連携して「環境を改善」していく

どうしても臭いが強く、施術に支障が出るような場合は、

ケアマネジャーや訪問看護師、ご家族に相談して環境改善をお願いするのも選択肢の一つです。

たとえば…

・換気のために窓を開けてもらう

・布団を定期的に干すようアドバイスしてもらう

・消臭グッズを設置する(家庭用の小型空気清浄機など)

など、“患者さんの尊厳を傷つけずに改善していく”方法を探りましょう。

言いにくいことではありますが、「臭いのせいで他のスタッフが訪問を嫌がっている」となると、

結果的に患者さんの不利益になってしまいます。

だからこそ、あなたが「良好な環境で施術できる=患者さんのためになる」という前提で、

冷静に動いていくことが大切です。

 

まとめ

・マスク+アロマなどでまずは自己防衛

・臭いは「環境の問題」として捉え、感情に流されない

・必要があれば、ケアマネや家族と連携して環境改善を働きかける

 

訪問鍼灸マッサージという仕事は、医療と生活支援の境界線を歩くようなもの。

だからこそ、“生活臭”や“現場の空気”も施術の一部として向き合う必要があります。

でも、あなたの心と体をすり減らしてまで我慢する必要はありません。

「患者さんを思うからこそ、自分を大事にする」

そんなスタンスを、ぜひ大切にしてください。