こんにちは、黒羽です。

訪問鍼灸マッサージを始めたばかりの先生が、最初にぶつかる“見えない壁”。

 

それが
「主治医からの同意書がもらえない」
という問題です。

 

これはもう、どんなに丁寧にやっていても、どんなに患者さんがやる気満々でも、避けては通れないものなんですね。

 

 

でも――

実はそれ以上に深刻なのが、その出来事を「どう患者さんに伝えるか」という問題なんですよ。

 

そして、伝え方を間違えると、せっかく繋がった患者さんとの信頼関係も、たった一言でガラガラと崩れてしまうこともあるんです。

 

今日は、その具体例と対策をお伝えします。

 

「主治医がダメって言ったんで…」は、NGワードです。
よくあるのが、このパターン。

「○○先生にお願いしたんですが、同意書はちょっと…って断られました」

言ってること自体は間違ってないんです。
でも、これをそのまま患者さんに伝えるとどうなるか?

 

患者さんの頭の中には、こんな言葉がよぎります。

「私はマッサージを受けるほど悪くないのか」
「先生に“必要ない”と判断されたんだ」
「じゃあ受ける意味ないよね…」

 

――そう、勝手に“自分を否定された”と解釈してしまうんです。

 

しかも、その主治医との信頼関係が長いほど、このダメージは大きい。

だから、こういうときこそ“伝え方の技術”が問われるんです。

 

やんわり伝える魔法のフレーズ

 

では、どう伝えればいいのか?

たとえば、こんな言い方に変えてみてください。

 

「○○病院さんは、基本的に“訪問の同意書”は出されない方針のようでした。どんな方でもそうされてるそうです。」

 

このひと言で、

・先生がダメ出ししたわけではない
・患者さんの状態が悪くないわけでもない
・制度やルールの範囲の話だ

という印象を自然に伝えることができます。

 

さらに続けて、こう言います。

「ただ、○○さんのような症状の場合、他の医療機関でご相談いただくと、対応してもらえることも多いんですよ。よければ一緒に探しましょうか?」

このように話すことで、患者さんの中に

「自分は必要とされているんだ」
「別の方法で受けられるかもしれない」
「この先生は一緒に動いてくれるんだ」

という前向きな感情が湧いてきます。

 

一番大事なのは“スピード”
ただし、ここでもう一つ大切なポイントがあります。

 

それが「熱が冷めないうちに動くこと」です。

 

患者さんが「やってみたい」と思ってくれたタイミングは、言ってみれば“奇跡の瞬間”です。

でも、同意書が出なかったという理由で数日空いてしまうと、驚くほどあっさりとその気持ちは薄れていきます。

 

だからこそ、

・すぐに代わりの医療機関を一緒に探す
・家族と相談してもらう
・再提案を1日以内に行う

 

これができる先生こそ、信頼され、選ばれる先生になれるんです。

 

「同意が出なかった」=「終了」ではない。

施術者の中には、「主治医がダメって言ったから今回は仕方ない…」とそこで引き下がってしまう人もいます。

 

でも、ここが正念場。

患者さん自身も、家族も、時にケアマネさんも――
みんな不安を抱えてるんです。

 

だからこそ、
「私が何とかします。一緒にやりましょう」という一言が、強烈な安心感と信頼を生みます。

 

この姿勢こそが、口コミや紹介、そして長期の継続へと繋がるんです。

 

まとめ

 

・「先生に断られました」は言い方に注意

・“制度上の都合”や“病院の方針”として伝える

・必要性を否定されたわけではないとしっかり説明

・他の医療機関を一緒に探す提案をする

・とにかく“スピード”が命

 

「施術を受けたい」という患者さんの熱意を冷まさないためにも、
「主治医がダメでした」で終わらせず、次の一手を提案できる先生でありたいですね。

 

それが結果的に、
患者さん、医師、ケアマネ、そして自分自身――
みんなが心地よく関われる“理想の関係”をつくる第一歩になります。

 

それではまた。