こんにちは、黒羽です。

訪問鍼灸マッサージで開業する時、

「個人事業主として始めるべきか?」

「最初から法人(株式会社)にした方が良いのか?」

という相談をよくいただきます。

実はここ、見落としがちな【最初の分かれ道】なんですが、後々の負担や選択肢にも大きく影響してくるので、かなり重要なんですよ。

今日は、どちらを選ぶべきか?その判断基準と、もし最初は個人でスタートした場合、いつ法人化すればいいのか?というタイミングの見極めについて、わかりやすくお伝えしますね。


なぜ、いきなり法人化を考えるのか?

まず、「法人=プロっぽい」とか「信頼されそう」と思って法人にしたくなる気持ち、めちゃくちゃわかります。

でも現実は――

法人化にはコストも手間も増えるということを、まず理解しておいた方がいいです。

具体的には、

・設立時に法務局などへの登記手数料
・税理士を雇う費用
・社会保険への強制加入(=毎月固定費が増える)
・赤字でも7万円以上の法人住民税がかかる

などなど。

つまり、売上がまだ安定していない段階で法人にしてしまうと、キャッシュが苦しくなる可能性が高いんです。


【結論】開業時は「個人事業主」がおすすめ

訪問鍼灸・訪問マッサージのような“1人型ビジネス”の場合、最初は絶対に個人事業主でOKです。

なぜか?

理由はシンプルで、

・売上に応じて税金が決まる
・社会保険への加入義務がない
・帳簿も簡単で自分でやれる
・やめたくなったら即やめられる

など、身軽で自由度が高いからです。

つまり、まだビジネスがどれくらい伸びるかわからない段階では、できるだけ身軽にしておいた方がリスクが少ないというわけです。


法人化するべき“3つのタイミング”

では、いつ法人にすればいいのか?

目安となるタイミングはこの3つです。

利益が年間500万円を超えそうなとき

個人事業主のままだと、税率が累進で上がっていきます。

一方、法人は一定の法人税率になるため、年間の利益が500万円を超えるくらいから、法人の方が節税メリットが出てくることが多いです。

人を雇いたいと考えたとき

スタッフを雇う場合、法人の方が社会的信用もあり、雇用契約や保険の管理がスムーズにいきます。

また、福利厚生や保険制度を活用できるため、求人でも有利になります

「売却」や「事業承継」も視野に入ってきたとき

これは少し先の話ですが、将来的に事業を売却したり、家族に引き継いだりする可能性がある場合は、法人の方が資産価値として管理しやすいです。


まとめ:こんな方は法人化を検討しよう

・月の利益が40万円以上安定して出ている
・スタッフを雇う予定がある
・節税や社会的信用が必要になってきた
・月商100万円以上を継続している

こういう状態になってきたら、税理士さんに一度相談しつつ、法人化の準備をしていくと良いでしょう。

逆に、

・開業直後で、収支も不安定
・ひとりでやる予定(今後も雇わない)
・今は売上より、まず安定を目指したい

という方は、迷わず個人事業主でスタートして大丈夫です。

実際、成功している治療家さんのほとんども、最初は個人から始めていますよ。


最後に…

ビジネスって、最初から「大きく見せよう」とすると、逆に潰れるのも早いんです。

だからこそ、小さく始めて、大きく育てる。

これが訪問鍼灸マッサージでもっとも賢いやり方だと、僕は思っています。

焦らず、じっくり、今の自分に合った形でスタートしてくださいね。