こんにちは、黒羽です。
今回は、現場でよくある「医師の同意書トラブル」について、具体例を交えてお話しします。
というのも、患者さんを獲得して、いざ施術も決まった…
でも――
「同意書の不備」でつまずくケースが本当に多いんです。
実際にあった“よくあるミス”をいくつか挙げてみましょう。
◆ よくある同意書ミスの実例
・病名が空白のまま提出されていた
・「頚肩腕症候群」と書くべきところが、なぜか「頸部痛」になっていた
・往療をしているのに、「往療の必要性」の記載が抜けていた
・こちらからお願いしたはずなのに、1ヶ月以上たっても同意書が届かない
・同意書は来たけど、医師の署名がどこにもない…
どれかひとつでも該当していたら、保険請求はストップ。返戻です。
しかも、こちらに落ち度はなくても、「書いてくれた医師のミス」だとしても、
保険者は一切お構いなし。「再提出してください」で終わりです。
●「医師も人間」だという前提で動く
僕たち施術者は、同意書が“命綱”だという認識がありますが、
お医者さんにとっては「たくさんある事務処理のひとつ」に過ぎません。
当然、忙しい日常の中で、ミスや見落としは起こります。
だからこそ重要なのは…
“事前のチェック体制”と“フォローアップの言い方”です。
●ミスがあった時のベストな対処法
では実際に、同意書に不備があった時、どうするのがベストか?
僕は、以下のような流れで対応しています。
(1)受け取った同意書を“その場で目を通す”
→ 患者さんから手渡しで受け取ったら、「ちょっと確認だけさせてくださいね」と目を通します。
※家族が代わりに持ってきた場合も同様。
(2)不備があった場合は“責めずに説明”
→ 「すみません!こちらの都合なんですけど、保険申請のルール上、ここの記載が必要なんです」と、相手のせいにしない。
→ 「患者さんの施術を継続させるために…」と伝えるのも効果的です。
(3)再依頼は“ワンクッションある文面”で送る
→ 書式と一緒に、「いつもありがとうございます」「お手数おかけして申し訳ありません」など一筆添えて送る。
→ 往療の記載忘れが多い医師には、「赤ペンで『ここにご記入ください』」と視覚的に促すのもアリ。
(4)同意書が“来ない”ときは、事務スタッフに確認→必要に応じて再送
→ 「診察が忙しくて机の上で止まってた」ということ、けっこうあります。
→ 事務の方へ「進捗を確認したいのですが…」とソフトに確認。
●トラブルを防ぐには「こちらが気をつける」しかない
理不尽かもしれませんが――
“相手のミス”でも、こちらの責任になるのが訪問施術の世界です。
だからこそ、「最初からミスを防ぐ前提」で動いた方が、精神的にもラクです。
✔ 同意書を受け取ったら、必ず中身を確認
✔ 書式は最新か?記入漏れ・署名はあるか?
✔ 往療の有無、病名、日付…全部チェック
✔ 間違っていても責めず、再依頼は丁寧に
✔ 同意書が来ないときは、早めに“さりげなく”確認する
これだけでも、返戻やトラブルの数は大幅に減ります。
●最後に:医師との信頼関係が、継続のカギになる
たとえ一度ミスがあったとしても、こちらが丁寧に対応していれば――
次からは、スムーズに書いてくださる医師も多いです。
「あの先生、いつも丁寧に対応してくれるな」
そう思われたら、患者さんの紹介が増えたり、継続して協力してくれたりと、
“見えない恩返し”が返ってくることも多いんです。
医師も、僕たち施術者も、患者さんの健康を支える“チームの一員”。
だからこそ、チームとしてうまく動くために、
“リカバリー力”を磨いておくことが、施術家としての強みになります。
同意書トラブル、事前のひと手間でほぼ回避できます。
ぜひ、あなたの現場でも取り入れてみてくださいね。