こんにちは、黒羽です。

今日は、「治療メニューが多すぎることの落とし穴」についてお話しします。

新しい技術、新しい機械、新しい手技。

いろいろと勉強していると、

「この技術、うちの院でも導入しようかな」

「これができたら、もっと患者さんが来てくれるかも」

…そんな気持ちになりますよね。

気持ちはすごくよく分かります。

でも、ちょっと立ち止まって考えてほしいんです。

その施術、本当に必要ですか?

新しい施術法を導入するというのは、

✅ スタッフに教える手間
✅ メニューを覚える負担
✅ オペレーションの複雑化
✅ チラシ・ホームページの更新
✅ 機材の準備や取り扱い習得

こういった“見えないコスト”がめちゃくちゃかかるんですよ。

しかもそれが、患者さんにとって「ピンとこない施術」だったら?

「選ばれないメニュー」になってしまったら?

結局、“やったこと自体が無駄になる”ことだって珍しくありません。

つまり…

「導入するだけで、コストは確実にかかる」
「でも、成果が出るかは分からない」

これが、治療メニューを増やすときの真実です。

■ メニューが多いと、スタッフも混乱する

スタッフを雇っている治療院で特に多いのが、

「メニューが多すぎて、スタッフが対応できない」という悩み。

患者さんから質問されても即答できない。
オペレーションが複雑で、施術の流れがスムーズにいかない。

間違って別メニューを提供してしまう。

こうなると、患者さんの信頼を失いますし、院全体の雰囲気もギクシャクしてしまいます。

結果、「なんかここ、段取り悪いな…」という印象を与えて、リピート率が下がってしまうんです。

■ 患者さんは、そんなにたくさん選びません

もうひとつ大事なポイントはこれです。

「患者さんは、そんなに選ばない」

選択肢が多すぎると、人は逆に迷って決められなくなるんですよ。

これは心理学でも証明されていることです。

✅ どれを選べばいいか分からない
✅ 何が一番効果あるのか分からない
✅ 結局、「いつものやつでいいか」となる

あなたも、レストランのメニューが100種類あると逆に迷いませんか?

それと同じです。

患者さんに選んでもらいたいなら、「迷わせない設計」が必要です。

■ 成果が出ている院は、メニューが少ない

不思議な話ですが、本当に成果が出ている治療院は、

たいていメニューがシンプルなんです。

「○○矯正・○○鍼灸」など、2~3本の柱だけ。

それをしっかり説明し、患者さんに納得してもらい、

満足度を高めて、リピートにつなげています。

つまり、たくさんの武器を持つのではなく、

“選ばれる武器だけを持つ”という戦略。

あなたの院でも、メニューが増えてきているなら、

「どれが選ばれて、どれが選ばれていないか?」を一度整理してみてください。

必要なのは、「導入すること」じゃなく、「成果につながるかどうか」です。

■ まとめ

・治療メニューが多すぎると、スタッフ教育とオペレーションが大変

・患者は多くの選択肢からは選べない。「迷わせない設計」が大切

・成果が出ている治療院ほど、シンプルなメニュー設計をしている

・「患者が選ぶか?」「効果があるか?」を考えて、導入すべきか判断する

導入したメニューが選ばれず、誰も受けないまま消えていく…。

それは、治療家としても、経営者としても、もったいないことです。

「引き算の戦略」、ぜひ一度意識してみてください。