こんにちは、黒羽です。

こんな相談が届きました。
「デイサービスを運営されている方から、“利用者さんにマッサージをお願いしたい”と依頼があったのですが、実費でやる場合、相場はどのくらいが妥当でしょうか?」

これね、実は意外とよくある話なんですよ。
僕自身も何度か経験ありますし、訪問施術をしていると、一度は通る道かもしれません。

でもここで大事なのは――
「ありがたい話」と思って安請け合いしないこと。

その理由と、現場でどう動けばいいのか、詳しくお話ししていきますね。


「マッサージ師さんが来てくれるデイサービス」という“売り”にされる

そもそも、なぜデイサービス側から「マッサージしてくれませんか?」と声がかかるのか?

これは簡単に言えば、
デイサービス側が“差別化”したいからなんですよ。

「うちはマッサージ師さんが来てくれるんですよ〜」って言えたら、
利用者さんやその家族にとっては魅力的に映ります。

つまり、あなたの施術を“客寄せパンダ”に使いたいわけですね。


でも、それってこちらにとって本当にメリットがあるのか?

ここが分かれ道です。

単にボランティアのようにタダで施術するのではなく、
「どうすればお互いにメリットのある関係が築けるか?」という視点で考える必要があります。


じゃあ、実費で施術をするときの料金設定はどうする?

基本は、保険施術と同等かそれ以上の料金を堂々と提示すること。
後ろめたさを感じる必要はありません。あなたはプロです。

●保険施術ベースで考えた場合

20分で4,000円はいただかないと割に合いません。

 

●実費なら「1分100〜200円」が目安

  • 30分なら 3,000〜6,000円

  • 60分なら 6,000〜12,000円

「え、高くない?」と思うかもしれませんが、
あなたは資格を持った国家資格者で、現場まで出向いて施術をするわけです。
移動時間も、燃料代も、すべてあなたの持ち出し。

安売りしたら、続けられなくなります。


●人数が多いなら「応料料の安分」で対応もOK

もし一度の訪問で複数名施術する場合は、
施術料を人数分、応料料を安分すればOK。

例えば4人を30分ずつ施術すれば、

  • 応料料は分けて割安に

  • 施術料は4人分入る

こうすれば、こちらの収益は確保できて、デイサービス側もコストが抑えられる。
WIN-WINですよね。


●「紹介ありき」で安くするのもアリ

もし、施設側が「定期的に患者さん紹介しますから…」というなら、
紹介を条件に時給制(例:2,000円)でやるという手もあります。

この場合、1時間で2,000円でも、
継続的に保険の患者さんを1人紹介してもらえれば、
月2回の施術だけでも1万円前後の継続収入になります。

これが積み重なれば、安定収益になります。


●「1分100円」スタイルで明朗会計もアリ

いろいろ面倒な説明がイヤだな…という方は、
業界でよくある「1分100円」計算でも大丈夫。

  • 10分:1,000円

  • 30分:3,000円

  • 60分:6,000円

このように、シンプルで分かりやすい価格設定にすれば、利用者さん側も納得しやすくなります。


最後に:施術の価値を“下げない”こと

「ちょっとでも安くしてあげた方が…」と思う気持ち、よくわかります。
でもそれは、あなたの価値を下げてしまうことにもつながるんですよ。

だからこそ、堂々と言ってください。

「保険請求ならこれだけかかります。
なので、実費でもこの金額になります。
それでもよければ、ぜひお手伝いさせてください。」

それで離れていくようなら、その施設は“利用”しようとしていただけです。
あなたのことを“パートナー”として見ている施設だけを大切にしてください。


●まとめ

・保険施術ベースで「20分4,000円」は基準に
・「1分100円」のシンプル設定でもOK
・複数名施術なら応料料は安分で調整
・時給制の場合は「紹介」を条件に
・安売りしないこと!あなたはプロです