こんにちは、黒羽です。

訪問鍼灸マッサージをやっていると、
避けて通れないのが「医師の同意書」ですよね。

僕も何度も経験しましたが、
お願いしても断られたり、無視されたり…
ときには患者さんから「先生が無理って…」と肩を落とされることもありました。

でも、あるとき気づいたんです。
“書いてくれない”じゃなくて“書けない理由”があったんだって。

医師は“書きたくない”わけじゃない。

「誰に書くのか」が見えていないだけなんです。

これは実際にある整形外科の先生に言われた言葉です。

「正直ね、どこの誰かもわからない人に、
 うちの患者の神経に鍼を打つとか、
 マッサージでどうこうするとか、怖いんだよ」

これが本音。

でも逆に言えば、
「この人なら安心できる」と思わせられたら、書いてくれるってことです。

つまり、答えはシンプル。

一番確実なのは、“直接会いに行くこと”です。

どんなに立派な文章を送るより、
対面で、あなたの顔を見せて、あなたの想いを届けること。

なぜかというと――
人は約9割の情報を「視覚」で受け取っています。

つまり、「見た目」や「態度」で、
相手があなたに抱く印象のほとんどが決まるということ。

どんなに丁寧な言葉を使っていても、
髪がボサボサで、白衣がヨレヨレで、姿勢も猫背で…
そんな施術者が「責任もって施術します」って言っても、説得力ないですよね。

でも逆に――

・髪を整えて
・清潔感ある服装で
・目を見て堂々と話して
・真摯な態度で誠意を伝える

たとえ言葉がたどたどしくても、
その姿勢に、医師は心を動かしてくれます。

僕も実際に何度も「直接行って良かった」と思った経験があります。

でも毎回行けないよ…という方へ

まずは「紹介状セット」を患者さん経由で渡すのもアリです

僕がやっていたのはこんな方法です。

  1. 患者さんに渡す紹介状セットを作る
     ・ご依頼状(簡潔に想いを伝える)
     ・同意書の原本
     ・サンプル記入例
     ・返信用封筒

  2. 患者さんやご家族に「ぜひ先生にお渡しください」とお願いする

そして、もし書いてもらえたら――

  1. お礼状を書く+菓子折りを持って一言挨拶に伺う

これ、地味ですが信頼関係をつくる大事な一歩です。

もし一度断られたとしても、
それで諦めるのではなく、「もう一度直接会いに行く」

医師も人間です。情熱と真面目さは、必ず伝わります。

たとえばこんなふうに話してみるといいでしょう。


「○○先生、こんにちは。
私、〇〇治療院で訪問施術を行っております、〇〇と申します。

今回ご相談させていただきたいのは、
先生の患者様である○○さんの件です。

ご本人もご家族も、在宅での施術を強く希望されております。
私としても責任をもって、患者様の状態改善に努めてまいります。

もしご許可いただけるようでしたら、
3か月間だけお試しという形でも構いません。

ご不安な点がございましたら、
今後の経過や報告も定期的にご報告いたしますので、
ぜひ前向きにご検討いただけませんでしょうか?」


こう言われたら、ちょっと気持ちが動きませんか?

ここで大事なのは――

・真剣なまなざしで目を見て話すこと
・相手の立場や不安も理解していることを示すこと
・そして何より「患者さんのために」という情熱を伝えること

それでも断られたら?

それはもう仕方ありません。
その先生とはご縁がなかっただけです。

「お忙しいところ申し訳ございませんでした。
 このたびはご対応いただき、ありがとうございました。」

そう丁寧にお礼をして、次の先生を探しましょう。

患者さんが他の病院にもかかっていれば、そちらにお願いする。
もし通院している病院がなければ、新しく病院を紹介してもらうという手もあります。

そして電話で問い合わせるときは、こう切り出しましょう。


「こんにちは。〇〇治療院の〇〇と申します。
○○さんという患者さんが施術を強く希望されており、
今後、御院に定期的に通っていただきながら、
私の方で訪問施術をさせていただきたいと考えております。

その際、同意書をご記入いただくことは可能でしょうか?」


新しい医師ほど、患者さんを診たいと思っていることが多いので、
「じゃあ一度来院してもらってください」という返答をもらえることもよくあります。

そして、「お試しで3ヶ月だけでも」と提案するのも有効です。

最後に。交渉の一番の武器は、言葉よりも“誠意”です。

人は言葉の内容よりも、「この人は信用できるか」を見ています。

つまり――
「どんな言葉で伝えるか」ではなく、
「どんな思いで伝えるか」がすべてなんです。

不安なら、家族や友人とロールプレイしてもいいです。
想定問答をQ&A形式で用意しておくのもおすすめです。

下を向いてボソボソ話すのではなく、
相手の顔を見て、自信を持って伝えましょう。

「患者さんのために力になりたいんです」
この言葉に、どれだけの“想い”を込められるかが、
医師の心を動かす最大のポイントです。

ぜひ参考にしてみてくださいね。