こんにちは、黒羽です。
「訪問で開業して成功している人って、やっぱりあん摩マッサージ指圧師の資格を持っている人が多いんですよね…。
自分は鍼灸師の資格しかないけど、やっていけるんでしょうか?」
――これ、ほんっとうによくある相談なんです。
不安になる気持ち、すごくよくわかります。
僕自身も、昔は「やっぱりマッサージができないと厳しいのかな…」って思ってたことありますから。
でもね、結論から言います。
やり方次第で、鍼灸師だけでも十分やっていけます。
ただし、注意点が1つ。
ストレートに「鍼灸です!」と出すと、かなりの確率で壁にぶつかります。
なぜか?
理由はシンプルで、鍼は痛い、お灸は熱いっていうイメージが、世間一般に強くあるんです。
特に高齢者層にとっては「鍼=注射」「灸=やけど」みたいな感覚なんですよね。
例えば整骨院でマッサージしているときは何も言わないのに、「ちょっと鍼もどうですか?」って提案すると…
「あ〜…鍼はちょっと怖いなあ」
「うーん、痛そうだからやめとくわ」
って顔されること、ないですか?
僕はめちゃくちゃ経験あります。
だからこそ、“鍼灸のイメージを変える”戦略が必要なんです。
■「刺さない鍼」「火を使わないお灸」が切り札になる
まず最初のポイントは、刺さない鍼。
具体的には「ローラー鍼」「小児鍼」など、皮膚に接触するだけのタイプ。
実際に刺さないから、痛みもない。
体験してもらえば、「あ、これなら大丈夫」って安心されます。
お灸も同じ。
「火を使わないお灸」=電子温灸器などを使えば、火傷の心配もなし。
ほんのり温かくて、むしろ気持ちいいくらい。
こういうツールを写真で見せる、実際に触ってもらう、手にやってあげる。
それだけで、グッと安心感が出て「鍼灸=怖い」のイメージはガラッと変わります。
■“鍼灸+マッサージ”のようなイメージで伝える
「鍼灸だけ」って言うと硬くなるけど、
「ツボを刺激しながら、もみほぐしとストレッチもやりますよ」
「自然治癒力を高めながら、関節運動も一緒に行います」
って言うと、患者さんの受け取り方は全然違うんです。
「東洋医学的なツボ刺激+リハビリ」みたいなセットのように見せる。
この“お得感”が、めちゃくちゃ効きます。
■医師やケアマネにも「実物+説明」で安心感を与える
「鍼灸ってちょっと怖い」と思ってるのは、患者さんだけじゃありません。
医師もケアマネさんも、同じなんです。
だから僕は、写真と実物を持って直接説明に行くようにしてます。
先生の手に実際に当てて、「これが刺さない鍼です」「これが火を使わないお灸です」と。
そうすると――
「あぁ、これなら安全だね」
「だったらうちの患者さんにもやってもらっていいよ」
と、すんなり同意書を出してもらえることが本当に多い。
“イメージ”を“実感”に変えることで、信頼に変わるんです。
■鍼灸師はむしろ“採用しやすい”
現実として、訪問の現場ではマッサージ師の数より、鍼灸師の方が多いです。
だから複数人で展開するときは、鍼灸で請求する体制の方がやりやすいという一面もあります。
特に女性の鍼灸師は人気。
一人暮らしのおばあちゃんなど、男性に抵抗がある方にも受け入れられやすい。
刺さない鍼や火を使わないお灸でやるなら、なおさら安心感が出ます。
■最後に大事なこと
この業界で“商品”になるのは施術の中身より、施術する“あなた”自身なんです。
どんなに技術があっても、信頼されなければ選ばれない。
でも、逆に人柄や姿勢が伝われば、多少の不安や偏見なんてすぐに覆せます。
だから、
「鍼灸じゃ無理だよな…」
「自分には資格が足りないかも…」
と不安に思う必要はありません。
工夫と伝え方しだいで、十分にやっていけます。
マッサージ師じゃないからこそできる施術、
鍼灸師だからこそ提供できる価値――
それを、うまく形にしていきましょう。
▽まとめ
・「鍼は痛い、お灸は熱い」のイメージを“実物”で変える
・刺さない鍼・火を使わないお灸をうまく活用する
・ツボ刺激+マッサージ+関節運動で“お得感”を伝える
・医師・ケアマネにも写真と体験で安心を提供する
・鍼灸師の人柄と伝え方が、最強の武器になる
――不安を、行動に変える。
それが、あなたの“第一歩”です。