こんにちは、黒羽です。
患者さんとの関係は良好。
施術にも満足してくれている。
でも――
横から口を出してくる家族の存在に、
ものすごく神経を使っている……そんなこと、ありませんか?
・「あの施術で本当に大丈夫なの?」
・「前より良くなってない気がするんだけど」
・「もっとちゃんとやってくれませんか?」
こんなふうに言われてしまうと、
内心イラッとするのは当然です。
でも、ここで感情を出してしまうと、
それまで築いてきた信頼関係が一気に崩れてしまうこともあります。
家族の言葉の“裏側”にある感情とは?
こういうケースで大切なのは、
表面の言葉だけに反応しないことです。
「文句を言っている」ように見えて、
その裏にあるのは――
・自分の親が心配でたまらない
・なんとか良くなってほしいという焦り
・専門家に任せきれない不安
つまり、愛情と不安がセットになっているだけのことが多いんです。
ここを見誤ってしまうと、
“ただのクレーマー”として扱ってしまい、関係が悪化してしまいます。
感情をぶつけずに、主導権を取り戻す技術
では、どうすれば余計な摩擦を生まずに、
こちらのペースで信頼を築けるのか?
以下の3つの工夫で、関係性がだいぶ楽になります。
①「否定しない」「反論しない」が鉄則
たとえば「効果が出てない」と言われても、
「いえ、良くなってますよ」ではなく
「ご心配なお気持ち、すごくよくわかります」から始める。
相手は“正論”を求めているのではなく、
“共感”を求めていることが多いんです。
② 「専門家」としての言葉を選ぶ
不安を減らすには、抽象的な説明ではなく、
「データ」「前例」「段階的な目標」を使った説明が効果的です。
例:「このケースでは3週間目あたりで変化が見えやすくなります」
例:「前回と比べて、皮膚の色や筋緊張の変化が見られました」
③「家族の役割」をそっと作ってあげる
口を出す家族ほど、「自分は何もできていない」と感じているものです。
そこで――
「ご家族のこういうサポートが、施術効果にも関係します」
「日常の姿を共有していただけると、非常に助かります」
などと伝えることで、
“味方”としてのポジションに引き込むことができます。
本人と家族、どちらにも信頼される関係をつくる
患者本人との関係はもちろん大事ですが、
家族の理解と信頼があることで、施術はぐっとやりやすくなります。
とはいえ、気を使いすぎて疲れてしまっては意味がありません。
大切なのは、「聞き入れる」ではなく「受け止める」こと。
そして、いつでも“主導権はこちらにある”という姿勢を忘れずに持ちましょう。
まとめ
・家族のきつい言葉の裏には、不安や焦りがある
・反論せず、まず共感で受け止める
・データや前例で、専門家として安心感を伝える
・家族に小さな役割を渡すと、口出しが減る
・主導権を取りつつ、関係性をコントロールしていくのがプロ
「本人はいい人なんだけど、家族がね…」
そんな状態に疲れたときは、
今回の3つの視点をぜひ思い出してみてください
。
うまく巻き込めば、
“厄介な家族”が“最強の応援者”になることもあります。