こんにちは、黒羽です。
訪問マッサージや訪問鍼灸のチラシや案内を作るときに、
必ずと言っていいほど悩むポイントがあります。
それが――
「料金って、どこまで書いていいのか?」問題。
制度上、療養費は定められた公定価格なので、
原則として広告に「施術料金」を明確に書くことはできません。
とはいえ、ですよ。
患者さんにとっては、
「結局いくらかかるの?」がいちばん気になるところ。
だからここがあいまいだと、
問い合わせすら来ないということもザラにあります。
料金を詳しく書くほど、患者は離れていく
療養費の規定に沿ってきっちり書こうとすると……
【施術料:1局所〇〇円、2局所〇〇円・・・】
【訪問施術料:片道の距離に応じて定められた金額】
【温罨法加算:〇〇円、電療加算:〇〇円】
正直、これを見て理解できる患者さんはいません。
むしろ「難しそう」「なんか面倒そう」と思われて、
読む前にチラシを捨てられてしまいます。
ここで大事なのは――
「正確さ」ではなく「伝わりやすさ」。
患者さんにとって必要なのは、
細かい制度の中身ではなく、
「自分にとってどれくらいの金額で受けられるのか」がパッとわかることなんです。
じゃあ、どうやって書けばいいのか?
僕が現場でアドバイスしているのは、
次のような書き方です。
① 金額の幅をざっくり出す(300円〜500円など)
→ 「健康保険が使えるので、1回あたり〇〇円〜〇〇円程度(自己負担1〜3割)」
というように、幅を持たせた金額表示をするのが一番スムーズです。
ここで重要なのは、「自己負担割合」も必ず書くこと。
例)
【健康保険が使えます】
自己負担1割:300円〜500円程度
自己負担3割:1000円〜1500円程度
このくらいの“ざっくり感”が、患者さんにはちょうどいいんです。
② 制度に触れつつ「費用の目安」として表記する
→ 完全に料金と断定せず、「費用の目安」として紹介することで、
広告表現としてのグレーゾーンもある程度回避できます。
たとえば、こういう言い方が有効です。
「※費用は施術部位数により異なります。上記は一例です」
「※健康保険適用時の自己負担額(1〜3割負担)の目安です」
これがあるだけで、グッと自然な印象になります。
③ “保険が使える”ことを最初に強調する
→ チラシでまず伝えるべきは、
「このサービスが保険適用になる」という事実。
その上で、「意外と安いんだ」と思ってもらえれば、
問い合わせにつながりやすくなります。
たとえば……
【医師の同意があれば健康保険が使えます】
【数百円で受けられる医療マッサージ】
【1回あたり300円〜500円程度で対応可能】
という見出しだけでも、反応はかなり変わります。
患者さんは「費用」より「安心感」を求めている
実は患者さんが知りたいのは、
「制度の詳細」でも「正確な料金」でもありません。
・思ってたより高くないんだ
・保険でちゃんとカバーされるんだ
・安心して頼める仕組みがあるんだ
――そう思える“雰囲気”が大事なんです。
だからチラシに必要なのは、
細かすぎる料金表じゃなく、
「費用は数百円程度」という伝わりやすい目安と、制度の存在感。
それだけで、読み手の不安はぐっと減ります。
まとめ
・料金表示はグレーゾーンなので、「目安」として幅をもたせる
・自己負担1割〜3割で「300円〜500円程度」と書くと伝わりやすい
・正確さより「伝わりやすさ」を意識する
・保険が使えることをまず強調し、費用の不安を取り除く
・患者が求めているのは「金額の正確さ」ではなく「安心感」
チラシで迷ったときは、
「これ、家族に見せたときにわかるかな?」と一度問いかけてみてください。
制度のプロが読むものじゃない。
施術を初めて検討する方に“伝わる”かどうか。
その視点が、反応を変えてくれます。