こんにちは、黒羽です。
営業エリアを広げたときに必ずぶつかる壁――
それが、「このエリアの医師が同意書を書いてくれない」という問題です。
要介護4の寝たきり患者さんでもNG。
頼れる他院もない。
ご家族も付き添えない。
「もう、あきらめるしかないのか……」と感じる場面ですよね。
でも結論から言うと、あきらめるのはまだ早いです。
医師が同意書を出す・出さないには、実は「感情」と「信頼」が大きく関わっています。
今日は、医師が“書かない”から“書いてくれる”に変わる要因と、
そのために現場でできる具体的なアクションを解説します。
医師が同意書を書かない3つの本音
まず、なぜ書いてくれないのか?を整理しておきましょう。
これは、大きく以下の3つに分けられます。
・患者の状態がよくわからない(書く根拠がない)
・療養費制度そのものに理解がない、または不信感がある
・鍼灸マッサージ師のことを「誰だか分からない存在」として警戒している
つまり、「書かない」と決めているわけではなく、
“書く判断材料が不足しているだけ”なことも多いんです。
医師が“書いてくれる”ようになる5つのきっかけ
では、どんなアクションが、医師の態度を変える可能性があるのか?
以下の5つを段階的に行うのが効果的です。
① 【顔を出して、直接お願いする】
→ 最も効果的です。
「患者さんがこういう状態で、本人もご家族も施術を望んでいます」と、
丁寧に、短く、誠実に話すことで、態度が変わる医師は多いです。
ポイントは、“誠意”と“安心感”。
正体不明の施術者ではなく、目の前に立って丁寧に説明してくれる施術者には、
医師も対応が変わります。
② 【必要性を文章で伝える(手紙を添える)】
→ 直接の面会が難しい場合や、補強として、
患者の状態や施術の目的を手書き or ワープロ書きの短文で添えるのも有効です。
例:「日常的に臀部の痛みが強く、食事中も座っていられない」
「週に3回、家族の支援なしには体位変換ができず、褥瘡リスクが高まっている」
など、医療的にイメージしやすい情報を意識して書きましょう。
③ 【患者本人や家族から“治療を希望している”という意志を伝えてもらう】
→ 医師が「本当に患者さんが望んでるのか?」と疑問を持っている場合、
患者や家族の“強い意志”が効果を発揮します。
「毎日の痛みがつらい」
「動きたくても動けない」
「マッサージを受けたい」
この声が、医師にとっては“治療の根拠”になることがあります。
④ 【診断書の発行を依頼する】
→ 同意書がダメなときの代替手段として「診断書」を使うのもアリです。
家族が病院受付で話す際は、
「訪問マッサージの申請にあたり、診断書をお願いしたいのですが」
と伝えるのがスムーズです。
※ただし、家族任せではうまくいかないケースが多いため、
先に施術者が出向いたほうが成功率は高いです。
⑤ 【追加資料(介護保険証のコピーなど)を添付する】
→ これは最後の手段ですが、
別紙に患者の状態や必要性を記入し、
介護度が分かる資料を添えて提出することで、
“もう一度考えてもらえる”ことがあります。
特に、要介護3〜5の患者であれば、
「身体状況に一定の重度さがある」ことを伝えるだけで、
医師の態度が変わることもあります。
まとめ
・医師が同意書を書かないのは「不信感」ではなく「判断材料不足」が多い
・顔を出して誠意を見せるだけで、OKになるケースは本当に多い
・患者本人や家族の“強い希望”は医師の背中を押す
・診断書を取得して、使う方法もある
・介護保険証のコピーを活用して、説得力を補強する
「この医師は無理だ」と思っても、
やれることを一つひとつ積み重ねていけば、
いつの間にか“協力的な医師”になっていることもあります。
同意書とは、制度の入口であり、信頼の入口でもあります。
あきらめるのではなく、“動き方”を変える――
それが、施術家としての本当の力の見せどころです。