こんにちは、黒羽です。

訪問鍼灸や訪問マッサージをしていると、
ときどき患者さんからこんなことを言われませんか?

「次の診察は1ヶ月後なんですけど…同意書、先生がもらってきてくれません?」

この一言、実はけっこうやっかいなんですよね。

患者さんとしては「書いてもらうだけでしょ?」っていう軽い感覚かもしれませんが、
こちらとしては制度やルールを守って動かないと、トラブルの元になります。

まず、大前提として同意書は診察の後に発行されるものです。

つまり、診察を受けていない状態では、病院に取りに行くこと自体ができません。
これは総合病院であっても、個人のクリニックであっても、基本的な流れは一緒です。

じゃあ、「診察は終わってるけど、受け取りだけ代わりにお願いできない?」
このケースはどうかというと——

結論から言うと、

「委任状」があれば可能です。

ただし、総合病院の場合はちょっとややこしい。

病院によっては「委任状」だけでOKのところもあれば、
患者さんからの電話連絡や、保険証のコピーも必要という場合もあります。

ですので、私がおすすめしているのは次のような流れです。


【患者さんが総合病院で次の受診日が1ヶ月後の場合】

基本的には1ヶ月待ちましょう。
診察が終わったら、病院に「同意書を発行してください」と伝えます。
たいていの場合、後日、患者さんの自宅に郵送されてきます。

【早めに施術を始めたい/患者さんが早くしてほしいと言っている場合】

総合病院に電話してみましょう。

「○○さんがこの前診察を受けられましたが、
同意書をまだもらっていません。代わりに受け取りに行ってもよろしいですか?」

このように文書受付の方に確認を取ってみてください。
そのとき、「委任状が必要です」と言われたら、患者さんに書いてもらいます。

【委任状のもらい方】

→ 総合病院の文書受付などに行けば、委任状のフォーマットが置いてあります。
患者さんの氏名・印鑑・生年月日などを記入し、施術者が持って行けばスムーズです。

【個人病院の場合】

→ 総合病院ほど厳密ではないことが多いです。
患者さんから事前に「○○治療院の先生が取りに行きます」と病院へ電話してもらえれば、
その後は比較的スムーズに受け取れるケースが多いです。


ポイントは「診察を受けてから」というところ。

無診察で同意書をもらおうとすると、
最悪の場合、病院側から「不正に取ろうとしているのでは?」と疑われてしまいます。

ですので、慌てず、まずは患者さんに診察を受けてもらう。
その後の流れで「委任状」「電話確認」「保険証のコピー」など、
必要な準備を整えてから動きましょう。

患者さんも、施術者も、そして病院も——
みんなが気持ちよくやりとりできるように。

そのためには、制度を理解したうえで、きちんと段取りを踏むことが大切なんです。

少し手間はかかるかもしれませんが、
患者さんの信頼を得て、長くお付き合いできる施術者になれるかどうかは、
こういう“ひと手間”の積み重ねで決まるんだと思います。