こんにちは、黒羽です。
訪問鍼灸や訪問マッサージをしていると、
「施設に営業に行きたいんですが、何を持っていけばいいですか?」
「誰に話しかければいいんでしょうか?」
という相談をよく受けます。
たしかに、営業って言葉だけでちょっと身構えてしまうかもしれません。
でもね、営業って“売り込み”じゃないんです。
もっと言えば、「信頼関係をつくること」なんです。
今日は、「特養」や「有料老人ホーム」などの施設に営業に行く時、
どんな流れで、どんな資料を用意して、誰に何を話せばいいのか、
実際に成果につながっている“黒羽流の営業ステップ”をわかりやすく解説します。
ちょっと長いですが、現場の空気感まで伝わるようにお話ししていきますね。
■ 営業に行く前に準備すべき「4つの紙」
まず、施設営業では「どんな資料を持っていくか」が第一関門です。
最低限、次の4つは持っていきましょう。
1.あなた自身のプロフィールが載った“自己紹介文”
これは、あなたが“どこの誰で、どんな思いで訪問施術をしているのか”が伝わるもの。
できれば写真入りで、「あ、この人だったら大丈夫そう」と安心してもらえるようにしましょう。
2.A4サイズの“チラシ”
サービスの内容をコンパクトにまとめたもの。
「保険が使えること」「無料体験があること」など、
パッと見て伝わる設計が大切です。
3.内容の濃い“パンフレット(小冊子)”
より詳しく、理念や想い、施術の流れ、料金体系(保険について)などを説明します。
ここでは、文字数やページ数を気にせず、「深く伝える」ことを意識しましょう。
4.無料体験の説明書
「無料で施術を受けられる」というだけでは伝わらないこともあります。
どういう流れで何分くらい受けられるのか、
対象者は誰か、リスクはないか、そうした不安を事前に取り除く“紙のガイド”です。
■ 誰に話す? 施設でのキーパーソンはこの2人
営業で話しかけるべき相手は、主に次の2人です。
1.ケアマネージャーさん(通称ケアマネ)
ケアプランを作成し、患者さんの生活全体をサポートするキーパーソン。
この方に「この人の施術、良いかも」と思ってもらえれば、話はぐっと早くなります。
2.施設長さん
現場の決定権を持つ存在。
ケアマネさんからの紹介や同席で話せるとスムーズですが、
直接話す機会があるなら丁寧にご挨拶を。
どちらかだけでもOKですが、理想は“両者に話す”こと。
その場で「無料体験を一度お願いしてみようか」となれば、日程の相談に入っていきます。
■ 無料体験の提案は「売り込み」ではなく「社会貢献」として
ここで重要なのは、
“患者さんを紹介してください”という圧を出さないことです。
営業=売り込みと思われがちですが、
訪問施術の場合は「ボランティアとして無料でやらせてください」という入り口の方が反応が良いんです。
たとえば、こう伝えます。
「高齢の方の筋肉のこわばりや、むくみ、冷えなどを少しでも和らげたいと思い、
地域貢献の一環として無料体験をさせていただいています。
ご希望があれば10~20分ほど、お体の状態を見ながら施術させていただきます。」
このくらいのテンションでOKです。
■ 1回で終わらせない仕組みづくりが“営業の本質”
もし体験して「気持ちよかった」と言われたら、そこで終わらせずに、
次のように提案してみてください。
「ご好評いただけたようで嬉しいです。
もしよろしければ、月に1回〜2回、ボランティアで施術に伺えればと思っているのですが…」
この提案が通れば、その施設に定期的に出入りするルートができます。
これができると、
・施設の利用者から「次はいつ?」と期待される
・ケアマネや施設長との信頼が深まる
・いずれ「保険使えますか?」という問い合わせが入る
といった展開につながります。
そう、営業は“仕組み”で考えるのがコツなんです。
■ 感想を集めて、次の営業に活かす
無料体験を終えたら、
その場で施術を受けた方に感想を紙に書いてもらうのがベストです。
「どんな悩みがあったか」「施術を受けてどうだったか」
この2点だけでも十分です。
これはパンフレットやホームページに掲載する“お客様の声”として、
次の営業時に抜群の効果を発揮します。
ちなみに、写真はNGの施設もあるので、
イニシャルや仮名で対応すると良いですね。
■ 最後の“ひと工夫”が信頼を生む
営業の締めくくりには、
簡単なお菓子やお茶請けを「先日はありがとうございました」とお礼と共に持っていくと、
とても印象が良くなります。
それだけで、「この人は信用できる」という空気ができるんですね。
さらに、施設内にチラシを貼らせてもらえるようお願いするのも忘れずに。
「もしよろしければ、こちらチラシを入口に貼っていただけると嬉しいのですが…」
この一言で、入居検討中のご家族の目にとまることも多く、
問い合わせにつながるケースもあります。
■ 黒羽からのひと言
営業って“ごり押し”ではなく、
「信頼を積み上げるコミュニケーション」なんですよね。
その第一歩として、
無料体験を“社会貢献のツール”として活用すること。
そして、施設内での関係性の構築と導線の設計を同時に行うこと。
これが、営業で継続的に成果を出す人の共通点です。
ぜひ、あなたの地域でもこの流れ、実践してみてください。
「患者さんを“集める”営業」ではなく、
「患者さんが“集まってくる”仕組みづくり」を意識してみましょう。